25歳団員転落死で揺れる宝塚歌劇団は17日、大阪・梅田芸術劇場で、花組全国ツアー「激情-ホセとカルメン-」「GRAND MIRAGE!」を開幕させた。舞台の安全確保のため、開演を30分遅らせてスタート。開演に先立ち、木場健之理事長が現況を謝罪した。

今ツアーは、花組スター永久輝せあが主演。専科から凪七瑠海らも出演し、花組生を中心に35人が出演した。客席はほぼ満席。終演後、ファンも口々に「頑張っている生徒に、劇団はこたえてほしい」と訴えた。

大阪府から来たという女性ファンは、40年来応援してきたという。「理事長のあいさつもありましたが、どうしても今まで伝統の上にのっかって、労働条件が悪化していたのでは」と指摘。本拠地作では、80人近い団員が出演することから「統制をとるのは厳しいとは思う」と理解しつつも「それでも、今の時代にふさわしい改革をしてほしい」と声をあげた。

14日のいじめ、パワハラを「確認できなかった」とした劇団の会見には「半分失望して、半分は応援」と複雑な心境も吐露。「すべては頑張っている生徒が健やかに舞台ができる環境を、劇団は作るべき」と繰り返した。

また、年間20本ほどを観劇するという70代男性ファンも会見には「全然納得していない。今の時代に合わない」と劇団を批判。別の70代女性ファンは、この日主演の永久輝ファンだと言い「内部のことは分からないけど、頑張っている生徒は応援したい」と話していた。