松任谷由美(69)が28日、今年5月にスタートした50周年記念の全国アリーナツアーのファイナル公演を名古屋・日本ガイシホールで行った。

ツアータイトルは「50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー The Journey」。会場の中央に巨大な海賊船のセットを設置し、船長のユーミンが海をテーマにファンと一緒に航海をしていくという設定の壮大なエンターテインメント。

セットリストは、海にまつわる楽曲「航海日誌」「セイレーン」や、演出に合わせて選んだ「あの日にかえりたい」「リフレインが叫んでる」「真夏の夜の夢」などの各年代のヒット曲を織り交ぜたラインアップで、約2時間半で全24曲を披露した。

ショーの根底に込められたテーマは“平和への願い”。変わりゆく世界の中で、50年という長きに渡ってさまざまなエンターテインメントを作り続けてきた。今回は、シャングリラシリーズをほうふつさせる場面や、巨大なドラゴンに乗ってのパフォーマンスなど、多岐にわたる演出が展開され、「けれど私は人の知性を信じたい。未来がより良い世界であるために。」という平和への願いを込めたメッセージを発した。

アンコールでは「ワンステージも落とすことなく、無事、最後の名古屋にたどり着きました。昔ならこんなに素直に言えないけれど、みんなの応援のおかげです。もっと続けられる気がする。こんなに素晴らしいファイナル、長くやっていて初めてです」と、超満員の客席に感謝の気持ちを伝えた。

そして3度目のアンコールでは「私が長く続けて来ることができた、大きな大きな理由。この船の設計者、この航海の航路の計画者、そして“ユーミン”という人生の帆走者、松任谷正隆」と、総合演出を手がけた夫の松任谷正隆をステージに呼び込み、松任谷のピアノで「卒業写真」を披露した。

ツアーは16都市で54公演を行い、57万4000人を動員する自己最大規模となり、23年のソロアーティスト動員数1位を記録(ぴあ総研調べ)した。

ツアーの横浜アリーナ公演の模様が、1月27日午後8時からWOWOWで放送される。