TBS南波雅俊アナウンサー(35)が4日放送の「Nスタ」(月~金曜午後3時50分)で、能登半島地震で甚大な被害が出ている石川県輪島市から中継した際、涙をこらえながらリポートする場面があった。

南波アナは、約200棟が焼失した輪島市の「朝市通り」から中継。「今も煙が上がっている所がまだあります」などと現地の状況を伝えた後、「中継の30分ほど前に、この場所に4人家族の方が来ていました。手を合わせていました」「このあたりに自分の家があって、住んでいたということでした。報道でこのあたりが焼けたことは知っていたが、自分の目で見るのは怖くて今日、初めて見ました、と。手を合わせながら、涙を流していました」と、中継直前の取材の様子を伝えた。

その際に、取材で聞いた話として「自分たちは、津波警報を知って急いで逃げて無事だった。ただ、親族ではないんですが、すぐ近くに住んでいるご高齢の方が亡くなったとおっしゃっていました」と明かし「自分たちより元気なくらいの方で、なぜ声をかけなかったということが…すごく後悔をしているというふうに、おっしゃっていました。えー…」。声を詰まらせ、涙をこらえるようにしながら、現場で出会った被災者のコメントを伝えた。

「生存確率が下がるとされている、発災からまもなく72時間が経過します。今日も、朝から懸命な捜索活動が行われていました」と、現地で続く必死の救助活動についても触れた。

一方、同番組メインキャスターを務める同局の井上貴博アナウンサー(39)は、泉谷満寿裕市長が「壊滅的」と表現するほどの被害が出ている珠洲市から、リポートした。井上キャスターは「私たちは特に被害が多いと言われるこの珠洲市に入りました。そして南波アナウンサーは輪島市に入っています。しかし、東日本大震災と同様に多くの場所で多くの被害が出ています。今日、私たちがお伝えできることは、ごく一部でしかありません。これ以外の場所でも、大勢の方が今、支援を求めていらっしゃいます」と述べ、地震で被災した地域は、広範囲にわたっている現実を訴えた。