東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)主催の第66回(23年度)ブルーリボン賞が23日までに決定した。

「ゴジラ-1.0」が作品賞、神木隆之介(30)の主演男優賞、浜辺美波(23)の助演女優賞の3冠を制した。また吉永小百合(78)が、00年「長崎ぶらぶら節」以来23年ぶり3度目の主演女優賞に輝いた。20年のコロナ禍以降、見送ってきた授賞式を、2月8日に都内で開催する。

    ◇   ◇   ◇

吉永には、2月8日に都内で開催される授賞式で1つ、大きな楽しみがある。山田洋次監督(92)と前回、タッグを組んだ15年「母と暮せば」で息子を演じ、前年度に主演男優賞を受賞した二宮和也(40)が、司会を務めることだ。「何か…とっても、ワクワクするような思いになりますね。今年は、まだ1度も会っていないんですけど」と目を輝かせた。

二宮が、23年10月にSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)から独立した際「独立するって発表する前にメールをくださって。『こういう形になります』って」と、発表前に報告があったと明かした。「応援するからね」と返したといい「決意するまで、大変だったと思うんですよね」と、二宮をおもんぱかった。

吉永は「母と暮せば」で長崎の助産婦・福原伸子を、二宮は伸子の次男で長崎医大生の浩二を演じた。物語で、伸子は1945年(昭20)8月9日に原爆が投下され、消息不明となった浩二を捜し続け、3年目の墓参の時、浩二の恋人・佐多町子(黒木華)に諦めると伝えたが、その夜、自宅に浩二が現れ「僕は死んでるんだよ」と告げる。

撮影は15年4月27日にクランクインし、同7月11日に長崎市内の教会でクランクアップした。撮影で、本当の親子のような関係性を築いた2人は「母と暮せば」の公開後も親交を深めてきた。吉永は、二宮が所属する嵐が20年12月31日をもってグループでの活動に区切りをつける際、日刊スポーツの取材に応じ「1年に何度か会っています」と明かしている。「嵐のコンサートは、マネジャーさんからお声をかけていただいて15~18年まで4年、続けて行きました」とも語った。

二宮のことは「和也さん」と呼んでいる。「みんな『ニノ』と言っていらっしゃるのだけど、何かちょっと違うし。やっぱり息子だし、名前を呼びたいなと思って。二宮さんは、普段は『小百合さん』と言ってくださるから、うれしいですね」と、その理由も明かした。

受賞対象作「こんにちは、母さん」で息子を演じるのは大泉洋(50)だが、吉永は23年7月31日に都内で行われた同作の完成披露試写会の檀上で、22年11月に誕生した二宮の二宮の次女と対面したことを明かした。司会から、タイトルにちなみ「最近、こんにちはをしたものは?」と質問されると「恥ずかしいですね。私は『こんにちは、赤ちゃん』です」と切り出した。そして「大泉さんの前の作品で息子をやってくださった…何だろう? 某かずなりさん…かずなりさんという、ご本名なんですけど、赤ちゃんに『こんにちは、赤ちゃん』と、お会いすることができました」と言い、笑みを浮かべた。

吉永と二宮の“母子再会”は、授賞式の大きな目玉となりそうだ。授賞式では「ラーゲリより愛を込めて」と「TANG タング」で昨年度の主演男優賞を受賞した二宮とともに「PLAN75」で主演女優賞を受賞した倍賞千恵子(82)も司会を務める。【村上幸将】