TBS系ドラマ「VIVANT」で一躍ブレークした元大相撲力士の俳優富栄ドラム(31)が、故郷・神戸で3月20日に開催される「TBS日曜劇場 VIVANT オーケストラコンサート」(神戸国際会館こくさいホール、昼夜2公演)出演に向け、このほど意欲を語った。

ドラムは、原作・脚本の福澤克雄氏、俳優迫田孝也とともにゲスト出演する。昨年7月期の放送以降、初の帰郷。今も家族や友人がおり「錦を飾るような気持ちです」と晴れやかな笑顔で語った。ご当地の駅に貼られた告知ポスターにも登場。「小さいころから、いつか駅のポスターに載りたいなと思っていたのでうれしい」と喜んだ。モンゴルロケの印象が強い作品で外国人役を演じたこともあり「モンゴル出身と思っている人が多いので、神戸出身ですよ、と知って欲しい。話すと関西弁やったりするんです」と、方言をまじえて笑った。

公演は作曲の千住明氏指揮によるフルオーケストラで、ドラムはオープニングや曲間に登場し、劇中同様、声優林原めぐみの声に合わせてスマホを手に、身ぶりや表情で進行する。先月10日の東京公演ではリアクションごとに、観客から歓声があがった。中学時代はピアノや木琴も演奏し「合唱コンクールで指揮者をやって賞を取りました」。カラオケの十八番はAqua Timezという音楽好きだ。「VIVANT」テーマ曲は今もヘッドホンで聴いてテンションをあげている。先月10日の東京公演では、リハーサルから生演奏を堪能し「こんなすごいドラマに自分がいたんやな、と涙が出てきそうになった」と振り返った。

放送から半年たった今も、各地で開催される「ドラムに会いに行こう」など、作品関連イベント出演を毎週ペースで継続。並行してボイストレーニングなど俳優としての鍛錬も行い、先月24日放送の同局系単発ドラマ「すっぴんヒーロー」にはセリフ付きの店員役で出演した。昨年1月以降、ほぼ無休で、今回の神戸も「日帰り」という多忙ぶりだ。「毎日充実してます。もともと、覚えるのが得意だったので、相撲で生かすことができなかった自分の良かった部分も今、生きているし、ストイックな部分とか、相撲の良かった部分も生きている。あのタイミングで辞めて次のスタートを切れたというのは、今となっては良かったと思います」と熱弁した。

「VIVANT」の反響は今も根強く、視聴者からの続編への期待の声も届く。「僕が言えるような身分では…」と恐縮しながらも「やりたいです」と本音も。「身体能力的にもうちょっと動けるので、それを生かせる役もやりたい」と、さらなる活躍の場面に想像を膨らませつつ、神戸で待つ作品のファンに向けて「お会いできるのがすごく楽しみです。『VIVANT』の世界観にどっぷりひたれて、スケールの大きい生演奏で迫力があるので、ぜひお越しください」。劇中の「ドラム」さながら、優しく力強く、呼びかけた。

◆富栄(とみさかえ)ドラム 本名・冨田龍太郎。1992年(平4)4月11日、神戸市生まれ。伊勢ケ浜部屋に入門し、08年春場所初土俵。21年3月引退。通算258勝245敗29休で最高位は東幕下6枚目。日馬富士や照ノ富士らの付け人も務めた。引退後はユーチューバーとしても活動し、Netflix「サンクチュアリ-聖域-」などに出演。「VIVANT」では中央アジアの架空の国バルカ共和国の「ドラム」として、阿部寛演じる公安部の仲間となり、日本語はスマホアプリで会話する。