「ゴジラ-1.0」で日本映画として初のアカデミー賞視覚効果賞を受賞した山崎貴監督(59)が、VFX(視覚効果)を手がける味の素のウェブ動画が、14日から特設サイトなどで公開された。

世界に認められたVFXの“新作”が早くも登場となる。「ゴジラ」ならぬ、廃棄食品の“悲しみ”が生んだ巨大怪獣「フードロスラ」が登場しフードロス問題を訴えていく内容。怪獣を組み上げる食材ひとつひとつが克明に再現され、東京タワーをつかむ場面や、涙を流す場面など、VFXによる映像がたっぷり登場する。山崎監督はインタビューで「食材を現実のサイズで描いてしまうと、一つ一つが小さすぎて食材だと伝わらなくなってしまう。巨大さと現実味のバランスを取ることがすごく難しかった」と、映画同様のこだわりを明かした。

動画は、年間約244万トンもの家庭での廃棄食品の“悲しみ”が生んだ巨大怪獣「フードロスラ」が街や人々に襲い掛かるというストーリー。山崎監督は迫力の襲撃シーンや、レスキュー隊員の装備の細部までこだわったという。街を襲おうとする豪快なシーンも注目で、ラストでは、攻撃が通じない「フードロスラ」に、味の素社の調味料と調理器具を持ったエプロン姿の特捜隊員たちが立ち向かい、「大事なのは、小さな調味料と、小さな工夫。」のセリフと決めポーズで、フードロス解決のヒントを訴える。

山崎監督は「フードロスラ」のCG制作の苦労について「たくさんのフードロスが発生しているということを表現するには、怪獣が食材の巨大な集合体になっていることが重要なんですね。そうした中で食材を現実のサイズで描いてしまうと、一つ一つが小さすぎて食材だと伝わらなくなってしまうので、巨大さと現実味のバランスを取ることがすごく難しかったです」とコメント。「フードロスラ」の怪獣としての魅力について「ただ人々を攻撃しているんじゃなくて、フードロスに対する悲しみを背負っているっていう部分かなと思います。見た人が恐怖を感じつつ、かわいそうにも感じるように工夫しました。鳴き声に関しても、意味がないようでいて、実は暗号のように意味を込めているので、それに気づいてもらえたらなと思います」と語っている。

プライベートの一面も披露した。「料理は結構好きですね。味の素社商品だと、『丸鶏がらスープ』とか、かなりよく使うんですよ。最近、お味噌汁に出汁とは別に少しだけ『丸鶏がらスープ』を入れると味に深みが出てすごく美味しいっていうのを発見しました(笑い)」と、同社製品をしっかりPR。「フードロス」という社会課題をテーマにする動画について「やはりエンタメを作っているので基本的には楽しんでもらいたいですが、見た後で『面白かった!』だけで忘れられてしまうんじゃなくて、何か人の心に引っかかるものは残したいですね。今回のフードロスに関しても『食べ物を雑に扱っちゃってるかも』ということを、ちょっとでも考えてもらえたら、大変ありがたいなと思います」と話している。

もともと動画の公開が予告されており、味の素にとっても最高のタイミングの受賞となったようだ。同社は公式SNSで「祝!第96回アカデミー賞 視覚効果部門受賞!!山崎監督おめでとうございます!!!」とお祝いのコメントを掲載している。