井浦新(49)が15日、東京・テアトル新宿で行われた主演映画「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」初日舞台あいさつで、井上淳一監督(58)から、まだ製作が未定ながら次回作「止められるか、俺たちを3」の監督に“指名”された。

「青春ジャック -」は、2012年(平24)に東京・新宿の路上で交通事故に遭い76歳で亡くなった、若松孝二監督の最後の助監督だった白石和彌監督(49)が、同監督が率いた60、70年代の若松プロの黎明(れいめい)期を舞台に描いた「止められるか、俺たちを」の続編。井浦は、井上監督から「新さんは『止め俺3』を撮りますけどね、きっと」と投げかけられると「『止め俺3』やるなら自分しかないなと。でも、撮らなかったら、ずっと次がないですから」と答えた。井上監督は「実は、若き日の新さんを誰がやるんだ、という話になっています」と続けると笑みを浮かべた。そして、若松プロダクションへの思いを語った。

「今、登壇してる俳優部の顔と名前、覚えてください。若松プロは、本当に、もう映画を届けられないものだと思っていました。今、ここにいるのが2024年の若松プロの最前線、井上組の面々です。この先、何をかお届けできる…そんなことは何も考えていません。みんな一丸となって届けられることが幸せです」

「止められるか、俺たちを」は、映画を武器に激動の時代を走り抜ける若者を、72年に早世した助監督・吉積めぐみさんの目を通して描いた。08年の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」から12年の遺作「千年の愉楽」までの晩年の5作品に出演した井浦が若松監督を演じた。

「青春ジャック-」は、ビデオが普及し始めた80年代に、時代に逆行するように、名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げた若松監督と、支配人に抜てきされた木全純治氏と、同劇場に集った若者を描いた。同監督に弟子入りした井上監督が、自身の若き姿も脚本に織り込んだ。実在する木全支配人を東出昌大(36)若き日の井上少年を杉田雷麟(21)が演じた。

この日は金本法子役の芋生悠(26)美加里役の向里祐香(33))大和屋竺役の大西信満(48)井上千束役の有森也実(56)も登壇。また河合塾の有名講師だった牧野剛さん役を演じた成田浬(53)磯崎真人役の田中俊介(34))金本由美役の笹岡ひなり(20)沢田浩明役の高橋雄祐(31)佐々木美紀役の碧木愛莉(23)磯貝一役の柴田鷹雄(38)と主題歌「まだみぬ果ては」を歌唱した中野ミホ(30)と同曲含め音楽を担当した宮田岳(33)が登壇した。