宝塚歌劇団の25歳宙組団員が昨年9月に急死した問題で、親会社阪急阪神ホールディングス(HD)は28日、上級生らによる団員へのハラスメントを認め、遺族側と合意書を締結し謝罪したと発表した。

角和夫HD会長らが同日、遺族に謝罪し、宙組上級生複数も謝罪文を遺族に提出した。遺族側が主張したハラスメントをほぼ認めた形。遺族代理人の川人博弁護士も同日、都内で会見し「明確にパワハラを認め、遺族に謝罪した意義は大きい」と評価した。

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急死団員が所属していた宙組について、村上浩爾理事長は、昨年就任したばかりのトップ芹香斗亜率いる現行体制の維持を想定して、組の再出発に言及した。

宙組は昨年秋以降、すべての公演が中止になり、5月開幕予定の次作本拠地作も上演見合わせが決まっている。今後について「現時点では何も決まってない。今後、一定の時期をみて、予定については発表したい」とするにとどまった。

現在、宙組メンバーは「レッスンを任意で行っている」とし「少しずつ心身の状態を戻してもらえるように」環境を整えていくとした。続けて「(宙組が)公演を再開する場合も、今の体制で再開したい」とし、時期については「年内、遠くない時期に」とした。

ハラスメント行為の概念を伝えたことで、団員急死と厳しい指導の因果関係も浮き彫りになり、村上理事長は「今、まさしく、丁寧に説明しているところです」。今後は、宙組以外の他組についても、ハラスメント概念の徹底については拡大していくという。

また、今春入団の110期生については、各組を1年かけて回る「組回り配属」とすることも発表した。