兵庫県明石市長を務めた弁護士の泉房穂氏(60)が16日、ニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月~木曜午後3時30分)に出演し、02年に刺殺された亡き恩師で元民主党衆院議員の石井紘基さんへの思いを語った。

石井さんは02年10月、右翼団体代表に刺殺され61歳で亡くなった。辛坊治郎氏から事件について聞かれた泉氏は「亡くなられて22年たつんですけど、まだ真相は闇の中で、実際、殺した本人は刑務所の中で、テレビ局の取材に対して『実は人に頼まれて殺した』という風にインタビューに答えている。本当のところは分からない」と答えた。

辛坊氏が、殺害時に石井氏がかばんに入れていた国会質問の資料が紛失していたとの情報に触れ「事実なんですか」と聞くと、泉氏は「そうです。そう言われてます。複数のマスコミもそう報道しています」と明言。その点で辛坊氏が「命を狙われるようなネタをつかんでいて、殺されてしまったんじゃないの、という話がある」と推察すると、泉氏は「とも言われています」と否定はしなかった。

泉氏は「私にとって恩師なので、亡くなられて22年たちますけど、石井さん殺された時の年が61歳なんです。私、石井さんの年に追いつくんです。なので、今年、石井さんに関する本を出そうと思って準備中です。石井紘基さんに対しての自分の思いは強いので、石井さんが投げかけた社会問題に関して、もう一回、問いかけようと思ってます」と、故人への思いを語った。

辛坊氏から「泉さんにとって石井紘基という政治家はどういう人」と聞かれると「正義の人です」と即答。「言葉どおり『正義の人』で、不正を許さず、弱い者を本気で助ける人で、犯罪被害者(救済)なんかも、石井さん中心に国会議員で頑張ったんです。殺された翌年に私が石井さんの亡き遺志をついで国会議員になって、やりかけの仕事を引き継いで、作ったのが犯罪被害者基本法なので。石井さんは弱きを助け、強きをくじく人でしたね」と振り返った。

辛坊氏は今月に芸能事務所ホリプロに文化人枠で所属した泉氏を念頭に、石井氏が存命なら師として「タレントやってんと、政治家やらんかいと言うのでは」と指摘。これに対し泉氏は「世の中、今がいいと思わないので、世の中をもっと変えていく仕事はしたいんですけど、役割はいろいろあって。イチ政治家よりも、もうちょっと発信力を高めたい。まだ不十分かな、私の影響力は。もうちょっと影響力を高めないと世の中を変えていけない」と、私見を語った。