テレビ時代劇「新選組血風録」「燃えよ剣」などの土方歳三役で知られた俳優、栗塚旭(くりづか・あさひ)さんが、京都市内の自宅で死去していたことが、12日までに分かった。88歳だった。この日、土方歳三資料館も公式X(旧ツイッター)でも、訃報を伝える記事を引用する形で伝えた。

栗塚さんと親しかった関係者によると、近年も映画関連やイベント出演などを行っており、8月に会ったという関係者は「こないだ会った時はいつも通り、普段の栗塚さんでしたが…」と話した。一時期、体調の芳しくない時期はあったものの、直近まで活動。ドラマシリーズの次作への出演も決まっていたという。

栗塚さんは北海道出身。幼少期に父、その後母も亡くし、親族を頼って京都へ移った。以前、日刊スポーツの取材に「もともと映画が好きだったから、(撮影所のある)京都に来たかった」と話していた。

京都の洛北高校を卒業し、京都を拠点とした「劇団くるみ座」入り。主宰だった毛利菊枝さんの付き人として芝居の基礎を学んだ。太秦の撮影所にも足を運ぶようになり、役者への思いを募らせつつ、モデルやラジオの仕事にも励んだ。

64年「忍びの者」で明智光秀役に抜てきされ、役者としての転機を迎え、翌65年の「新選組血風録」の土方歳三役でブレーク。その後、70年にも「燃えよ剣」で土方を演じ、“土方役者”と呼ばれた。

当時を振り返って、自身はもともと「よく笑うタイプ」だったため、役柄上「監督から『おまえは、普段から笑うな』と言われた」と苦笑して思い起こしたこともあった、

その後は時代劇を中心に活躍し、04年にはNHK大河ドラマ「新選組!」に、土方歳三の実兄為次郎役で出演。同作で、歳三を演じた山本耕史にもエール、アドバイスを送った。

実生活では、京都・哲学の道で「喫茶 若王子」を開き、訪れるファンとの交流も楽しんだ。

栗塚さんは「若いころは土方歳三しかできないと言われたりしたけど、今でも栗塚旭といえば土方歳三と言ってもらえることはありがたい」と感謝。長らく“栗塚・土方歳三”を愛してくれるファンを思って「生涯、土方歳三を演じます」などとも話していた。

晩年は、新選組や代表作関連のイベントに呼ばれることも多く、独身を貫き、トークイベントなどでは「土方歳三に殉じて」などとちゃめっ気たっぷりに語っていた。