やはりエンターテインメントは生で見てこそ。そう再確認できたのが、4日と5日に横浜スタジアムで行われた日向坂46の7周年記念ライブ「7回目のひな誕祭~Welcome to HINATAZAKA ROCKESTRA~」だった。

4日は観覧のため客席から、5日は取材のため記者席から、沸き上がる大歓声を肌で体感したが、特に4日は、記者としても一生忘れないであろう濃い思い出となった。

実際に現地に足を運んだおひさま(ファン)の方はきっと分かるはずだ。初日の4日は、中盤に差しかかった頃から、いわゆるバケツの水をひっくり返したような、もしくはそれ以上の土砂降りとなった。ギリギリ曇りで耐えてくれるか、という記者のわずかな望みもむなしく、見事にずぶぬれになってしまった。

記者は坂道グループの担当をさせていただくようになって約半年のため、今回が初めて訪れた「ひな誕祭」だった。小坂菜緒(23)はステージで「日向坂46史上初の大雨ライブ」と言った。どうやら初回にしてとても珍しい体験をしたらしい。

ライブを通してとても印象に残っているのが、メンバーもおひさまの方も、まるで雨が降っていないかのような、平常運転のような様子を見せていたことだ。コールの声量も落ちず、むしろ大きくなっている感覚さえあった。絶対に雨なんかに負けてなるものか、という会場の一体感が、さらにボルテージを上げているのかもしれないと思いながら、ステージを見つめていた。

ライブ前の取材で、藤嶌果歩(19)は、横浜スタジアムでのライブの魅力の1つに「景色の変化を楽しむことができる」と挙げていた。おそらく想定していた景色の変化とは相当違う方向となったはずだが、それをも味方につけて楽しみ、笑顔でより一層盛り上げようとするメンバーの姿があった。難しい条件にも負けず、自らの信念を貫く様には心を打たれ、応援したい、しなければならないと感じたのが率直な思いだ。

雨の中のライブは不測の事態ではありつつ、見方を変えると非日常体験として受け止めることができる。そもそも、ライブ自体がある意味で非日常体験だ。

キャプテン髙橋未来虹(22)も以前「ハマスタでのライブは、1年を通して見てもいろんなドラマが生まれます」と魅力を語っていた。確かに、目の前に広がっていた光景は間違いなくドラマであり、先述のように心を打たれたのだ。楽曲、演出だけでなく、周囲の環境も含めて全てがエンターテインメントだと学んだ。事実、4日と5日では、天気も含め、ライブが見せた顔は異なっていた。完全に同じライブは二度と訪れない。その時に起きる一瞬を逃さず、体験していきたいと改めて感じた。

いつかはこのライブもメンバーやおひさまの間で語り草になるのだろうか。日向坂46の歴史において大きな出来事の1つとして数えられるかもしれないドラマに立ち会うことができて、本当に感謝している。ぬれたことよりも、肌で体感したことのほうが、遥かに鮮明な記憶として残っている。

ちなみに、野球好きの記者は、横浜スタジアムへ観戦に行くと高確率で雨が降る。過去何度、雨天中止を引き当てたことか分からない。今回もやってしまったなと、その点に関しては1人で苦笑いするほか無かった。【寺本吏輝】