芳村宗治郎(28)が16日、東京・シネマート新宿で行われた主演映画「JOTARO」(山嵜晋平監督)公開記念舞台あいさつに登壇。
明治から昭和にかけて活躍した文豪・谷崎潤一郎の「饒太郎」を原作にした作品で小説家・泉饒太郎を演じたが、特異な性向を持ち、女性にはり付けにされたり、ムチで打たれる役どころで「8~9割、脱いでいる」状態での演技を求められた。そのため「太っているのはなぁ…と自制して、ラーメンを食べないようにしていたのが、つらかった」と振り返った。
「JOTARO」は、今年生誕140年を迎える谷崎の作品を「TANIZAKI Reimagined」と題して長編映画化。原作の「饒太郎」は、ある男の特異な性向を通して、人間の内面に潜む歪んだ欲望が、静かに、しかし執拗(しつよう)に描き出された、谷崎文学の中でも異様な感覚と不穏な気配を色濃くたたえた作品。芳村は「去年の今ごろ、6月に撮影し、作品も思い切ったことをやり、ゴタゴタもあったりで、どうなるのかなと思った。公開でき、うれしい」と公開を喜んだ。
壇上では、担当の編集者・松村英司を演じた平野宏周(27)から「芳村君を現場中も不気味な印象があって怖い。ずっと奇妙だったから…」、パパ活で3000万円をだまし取り「美しき犯罪者」と呼ばれた女・海原杏奈を演じた山﨑翠佳(26)からは「今日も不思議な動きをしていた」と突っ込まれ、芳村は「役に入り込むじゃないですけど…皆さんに迷惑をかけた」と照れ笑い。「(役)抜けないかな? つかめたと思ったら思ったら擦り抜ける…演じていて、こいつどうなんだろう? と分からなくなる。演じて消化する、を繰り返していた」と役作りと撮影を振り返った。
一方で、撮影後、ようやく解禁したラーメンの味については「終わった後、中華屋でラーメン、ギョウザを食べ、おいしかった」と満面の笑みで振り返った。 この日は写真家・貴島蘭子を演じた行平あい佳(34)も登壇した。
◆「JOTARO」 文藝賞を受賞し華々しくデビューした小説家・泉饒太郎(芳村宗治郎)。しかし成功は長く続かず、執筆を条件に編集者・松村英司(平野宏周)から金を借りては、堕落した日々を送っていた。写真家・貴島蘭子(行平あい佳)に執着され、流されるままに彼女の家に身を寄せ関係を重ねるが、饒太郎の内に蠢く歪んだ欲望は満たされることがない。そんな折、松村から取材対象として紹介されたのが、かつてパパ活で三千万円をだまし取り「美しき犯罪者」と呼ばれた女・海原杏奈(山﨑翠佳)だった。おとなしく従順に見える彼女の奥に潜む、説明のつかない異様さ。饒太郎は、彼女こそが自分の欲望を満たしてくれるのではないかと感じ始める。



