NHKの松本正之会長は1日、東日本大震災の津波映像が被災者にダメージを与える恐れがあるとの指摘に対し、「これまでも気を付けてきたつもりだが、一層慎重にしたい」と、被災者に配慮していく考えを示した。定例記者会見での発言。

 発生当時の映像については、日本医師会が2月29日、被災地の住民にとって津波などの映像は精神衛生的に好ましくない影響があるため、可能な限り流さないようNHKや民放連に求めると発表していた。

 NHKは3日夜から9日間連続の「NHKスペシャル」の中で津波被害の検証に取り組むなど、大震災から1年を迎える11日前後に、数多くの震災関連番組を放送する予定。

 会見に同席した塚田祐之理事は「起きたことを検証して伝えるのは公共放送の大事な仕事だが、不必要な映像は使わないよう心掛けている。番組内容を見極めながら、できる限り気を配っていきたい」と話した。