大手芸能事務所のホリプロが、シンガポールで11日まで開催されたアニメやアニソンなど日本文化を伝えるイベント「AFA2012」に、海外では初となるブースを出展した。所属の歌手May’n(23)が、08年の第1回から連続してライブの大トリを務めるなどAFAと深く関わってきたが、1月にアニメビジョン開発室を立ち上げて進めてきた、アニメやアニソンを軸とした海外戦略をさらに1歩、前進させた。

 黒と白を基調としたシックな舞台上に「HORIPRO」の文字が躍った。そこにMay’nが立った瞬間、観客が殺到。代表曲「ダイアモンド

 クレバス」を歌うと約200人の観客が熱狂。May’nは「海外でライブを行うきっかけとなったシンガポールに、毎年来ることが出来てとてもうれしい」と喜んだ。

 May’nが08年の第1回AFAに参加したのは、同年のアニメ「マクロスF」がアジアを中心とした海外でヒットし、劇中歌の「ダイアモンド

 クレバス」の人気も沸騰したからだ。それをきっかけにMay’nが毎年、参加する中でホリプロは現地のメードカフェで働く、アニメとアニソン好きのシンガポール人とマレーシア人による女子4人組、Sea☆Aも立ち上げ、昨年8月に日本デビューさせた。

 ブースではMay’nのほか、Sea☆Aと今年契約した声優岸尾だいすけがイベントを行い、限定グッズも完売した。関係者は「アニメ人気は欧米でも高く、活躍できるマーケットがあります。力を入れていきたい」と語った。

 ◆AFA(アニメ・フェスティバル・アジア)

 08年11月22、23日にシンガポールで第1回が開催。電通の現地法人と地元企業のSOZOが共同で立ち上げ、アニソンライブやコスプレイベントが行われるほか、日本のアニメ制作会社や企業がブースを積極的に出展している。6月にはマレーシアで初となる「アニメフェスティバル・アジア・マレーシア」も開催された。