<連載「気になリスト」(4)>

 2枚目シングル「スターラブレーション」でブレークのきっかけをつかんだ。今年春に放送された篠原涼子主演フジテレビ系連続ドラマ「ラスト・シンデレラ」の主題歌としてドラマのヒットとともに注目された。レコチョク上半期新人アーティストシングル部門1位や同社6月度シングル部門1位を獲得。ドラムの森さん(27)は「よく結婚式のビデオレターを頼まれるようになりました」。

 ドラマ収録中にセットを訪れ、主演の篠原や三浦春馬らの前で曲を披露した。ボーカルMEME(27)は「篠原さんが『あ、ケラケラだ』と言って手拍子で盛り上がってくれた」。森さんは「三浦さんは移動中にも聴いてくれていてうれしかった」。出演者の間で既に“ヒットソング”になっていた。

 今年2月にデビュー。森さんとリーダーでベースのふるっぺ(26)は異色の経歴を持つ。2人は04年映画「ビートキッズ」で、以前組んでいたバンドでCDデビューと主演デビューを果たした。その後、俳優活動も続けたが、ふるっぺは「3000円ぐらいのギャラで時代劇の死体役もやりました。全然いい話もなく、あ、音楽の方が向いているなと気付いて」。森さんも映画や舞台に何本か出演後に音楽に戻った。

 ケラケラは「恋愛臆病系バンド」の異名も持つ。恋愛で1歩を踏み出せない歌詞が共感を呼んでいる。楽曲のほとんどを手掛けるふるっぺは「僕ら自身も奥手な部分があって」。MEMEも「私も踏み出せないタイプ」。森さんも「僕も自分からいけないタイプです」。

 今後については、MEMEは「親友みたいな存在でいたい」。森さんは「遠い場所も直接行って音楽を届けたい」。ふるっぺは「長く歌い継がれる曲を発表していきたい。あまり国際的な曲じゃないので、まず日本で知ってもらうのが先」。スタンスも、親近感や共感といったキーワードで、強くつながっている。【近藤由美子】

 ◆ケラケラ

 MEME(ボーカル)ふるっぺ(ベース)森さん(ドラム)の3人で構成。10年にインターネット上で、ふるっぺと森さんがボーカルを募集し、MEMEを迎えた。バンド名はMEMEの引き込まれるような歌声と明るくニコニコした笑顔から命名。13年2月「さよなら大好きだったよ」でメジャーデビュー。18日に3枚目シングル「友達のフリ」を発売。