韓国の電機大手サムスン電子が、中国でのテレビや家電製品の販売から撤退する方針を固めたことが30日、業界関係者への取材で分かった。中国国内の冷蔵庫などの工場生産は維持し、引き続き輸出拠点とするとみられる。価格競争で中国勢に押され収益が低迷していた。人工知能(AI)向けの半導体やスマートフォンなど、高付加価値の製品への「選択と集中」の一環。
サムスンは「まだ決定したことはない」との立場を示している。
中国では、家電大手のTCLや海信集団(ハイセンス)などが、低価格攻勢に加え技術力も武器にシェアを拡大。サムスンは昨年から事業見直しを本格化していた。家電は今年中の在庫処理を目指すという。
韓国メディアによると、中国では半導体やスマホの研究開発投資に集中する。一部家電の製造工場は維持する。
家電事業は全般的な再編を図る方向で、食器洗浄機や電子レンジなどの生産は外注化を進める。スロバキアにあるテレビ工場の閉鎖を決めたほか、マレーシアの家電工場も閉鎖を検討。洗濯機や冷蔵庫などは原則、自社製造を維持するという。
中国のテレビ市場は1990年代まで日本勢が席巻していたが、ブラウン管から液晶パネルへの移行が進むにつれ、韓国や中国のメーカーとの価格・品質の競争が激化。高付加価値路線でも巻き返せず、2010年代に主導権を明け渡した。東芝は18年、ハイセンスにテレビ事業を売却。ソニーもTCLとテレビ事業で連携する。(共同)

