文部科学省は12日、学校法人「加計学園」獣医学部新設計画をめぐる文書の再調査に関し、民進党から「12日正午」を期限に求められていた調査結果の発表に応じず、「ゼロ回答」となった。同党が、国会内で開いた「加計学園疑惑調査チーム」に出席した担当者が、「(きょう)お示しできるペーパーは準備できなかった」と述べた。

 前回9日の会合後、「どういう対応ができるか確実に(松野博一文科)大臣に相談した結果、文書の存否だけではなく、全体の対応方針を固めてからということになった」と釈明。「無駄に時間をかけるつもりはない。しっかり調べて速やかに発表する」と述べたが、時期は明言しなかった。

 これに対し、民進党議員は「メールを受け取った職員に聞けば一瞬で終わる」「時間稼ぎだ」と激怒。「いますぐ文科省に行きましょうよ」と、一時、すぐに役所に乗り込む動きまでみせたが、文科省の担当者は「十分な形で調査をやる」と理解を求めた。

 民進党側は、調査結果が不十分な場合、メールに名前が記された職員に直接ただすことも辞さない構えを伝えた。

 一方、同会合には国家戦略特区の担当である内閣府の担当者も出席。こちらも、資料提出を求められ追及を受けたが、「今回の問題は文科省の問題」との認識を崩さず、あらためて調査に消極的な姿勢をみせたため、文科省とのやりとり以上に怒号が飛び交った。

 協議に関して、「メモは取らない」との趣旨の発言もあり、「今、後ろの(事務方の)人はメモを取っているじゃないか。あまりキテレツな答弁はやめた方がいい」と、いさめられるひと幕もあった。