昨年ノーベル平和賞を受賞した国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の川崎哲国際運営委員(49)が8日、この日横浜港から出港する「第98回ピースボート」の出発前に、同港で会見を行った。NGO「ピースボート」はICANの主要運営団体の1つで、川崎氏は同組織の共同代表も務めている。

 今回の旅は、昨年12月のノーベル平和賞受賞後、初の世界一周航海。被爆者2人、被爆2世1人が乗船し、22カ国25寄港地で核廃絶を訴える。また、同賞の公式レプリカメダルと賞状も各地で公開する。川崎氏は「私もこのメダルを見たときは感激した。これを手にとると『何かしないといけない』という気持ちになる。世界中の人にこの重みを感じてもらって、核兵器をなくす運動の一員になってほしい」と語った。

 一方で、核兵器禁止条約に参加しない立場を貫く日本政府の対応には、「これから世界各国で話をするのが、非常に恥ずかしい状況だ」と述べた。国内でも政府や国会議員に対し、一刻も早い条約の署名、批准を求める活動を続けるという。

 今年のノーベル平和賞の候補には、朝鮮半島の非核化に向けた北朝鮮への対応で米トランプ大統領の名前も挙がっている。会見に同席したピースボートの吉岡達也共同代表(57)は、朝鮮半島の非核化は世界の安全と平和に関わる問題としつつも、「市民であり普通の人々が頑張ることに、この賞の本来の価値がある。偉人が1人でこの世界を変えるというのは幻想。ただ、トランプさんが頑張るのであれば『やぶさかではない』」と話した。

 1歳のときに長崎で被爆した倉守照美さん(74)は「昨年のICANの受賞は被爆者にとっても大きな励みになった。メダルと賞状とともに、核兵器の禁止と廃絶を伝えたい」と意気込んだ。