東京都の小池百合子知事は8日の会見で、目黒区で、衰弱した船戸結愛ちゃん(5)を放置したとして、両親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された痛ましい事件を受け、児童相談所のさらなる体制強化に乗り出す意向を明らかにした。

 「夜間休日、24時間、365日、子どもを見守る体制にしたい」と述べた。

 小池氏は、結愛ちゃんが「ゆるして ゆるして」などとつづったメモについて、「大人でも書けない、心を揺さぶられるようなメモを残した。何とかならなかったのかという思いだ」と声を落とし、「児童相談所が関与していながら、痛ましい事件が起きた。さまざまな不幸が重なったことで、尊い命が失われたことに憤りを感じている」と指摘。「何ができるか、この事件を受け、児童相談所の体制をさらに強化したい」と述べ、児童福祉司など含めた、職員の増員に着手する考えを示した。法的対応力や地域のネットワーク強化も合わせて、早急に検討するよう、関係部局に指示を出したと表明した。

 一方、今回、逮捕された両親が香川県から引っ越してきていたことを受け、現在の担当だった品川区の児童相談所との連携がどうだったか、その課題にも言及。「東京都として全庁一丸となり、スピード感を持って対応したい」と述べ、都庁全体として取り組む意向を示した。

 今後、保護士の育成なども人材への対応も課題となるが、必要となる予算は通常予算とは切り離し、優先して対応するとも述べた。