探査機はやぶさ2が平成の最後に、世界初の難ミッションを大成功させ、宇宙探査に新たな道を開いた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日午後、小惑星りゅうぐうに「人工クレーター」を形成するために純銅製の弾丸を撃ち込み、成功したことを発表した。

アナログ映像ながら噴出物が舞い上がる様子が鮮明に写し出されていた。「大変、うれしいお知らせがあります。SCI(衝突装置)の運用が成功した、と判定しました。ベストの中のベストの結果。私たちは宇宙探査の新しい手段を確立しました」と、津田雄一プロジェクトマネジャーは興奮ぎみに語った。

映像は弾丸衝突から1~2秒後のもので、噴出の高さは数10メートルと推察され、時間とともに高度と規模を増した可能性は高い。デジタル映像でも撮影を同時進行しており、さらに高鮮明な映像が公開予定だ。

アクロバティックで難度の高いミッションだった。爆薬と純銅弾をセットした衝突装置(SCI)を高度500メートルで分離、静止。その間に爆発で噴出した岩石などに被弾しないよう、裏側に退避。その途中で小型カメラの分離、作動させた上でSCI分離から約40分後に起爆させる「一発勝負」だ。世界最先端で高精度の制御技術で「目隠しして馬で駆けながら流鏑馬(やぶさめ)の的を射る」(津田氏)と表現した快挙をなし遂げた。世界初の「人工クレーター」形成は22日以降に発表予定。5月、新元号初の大仕事で「令和クレーター」へのピンポイント着陸の快挙も達成する。【大上悟】

◆探査機はやぶさ2 JAXAが小惑星「いとかわ」の探査機として運用した「はやぶさ」の後継機として開発した。14年12月に種子島宇宙センターから打ち上げられ、18年6月に小惑星「りゅうぐう」付近に到達した。りゅうぐうへの着陸ならびに岩石などの試料を採取して地球に持ち帰るのが主目的。太陽光パネルでイオンエンジンの推力を得て運航する。質量約609キロ。20年の年末に地球に帰還する予定。