新紙幣5000円札は、津田梅子の肖像が「反転」された? ままで5年後にデビューする方向だ。新紙幣の図案は津田塾大が提供した津田梅子の写真と顔の向きが逆で「反転」の可能性が高い。16日、財務省は「反転などの加工は問題ない」と公表されたままで発行することを明らかにしたが、同大OGの作家北原みのりさん、同大の現役学生からは違和感を覚えるとの声が上がった。

「反転」の可能性が高い新5000円札が令和6年度に登場しそうだ。紙幣の「顔」と言うべき肖像画の反転の疑惑が発覚したが、財務省は「反転などの加工は問題ない」と公表図案のまま、予定通り5年後デビューを明らかにした。政府は午前の記者会見で菅義偉官房長官が「選定された人物についてさまざまな写真を収集して、原画を作成する」と説明。財務省を後押しするような見解を示したが「反転攻勢」となるかどうか。

女子教育の先駆者・津田梅子が創立した津田塾大では約10年前に国立印刷局から「技術者の練習用に」との依頼を受け、津田梅子の写真を提供した。写真は18歳ごろ、24歳ごろ、36歳ごろ、50歳ごろの4点。新紙幣は同大HPに掲載されている36歳ごろのものとみられており、細部も一致している。顔は「右向き」だが新紙幣では「左向き」で「反転」の可能性が高い。

お札のバランス上、他の新紙幣と同様に「左向き」で統一するため、という見方も否定できない。同大の企画広報課では「新紙幣作成には関わっておらず、コメントする立場にはありません」と一貫して静観の構えだ。9日の新紙幣が発表直後に同大HPには新紙幣に関する報道取材の受け付けページを新設するなど祝賀ムード一色だが、在校女子大生の反応は微妙だった。「写真が間違った焼き方をされていたとすれば複雑な気持ち」(総合政策学部3年)、「本物と違うなら違和感を感じる」(同3年)と否定的な声が上がった。【大上悟】