東京都の小池百合子知事は17日、都内で行われた内外情勢調査会の会合で講演し、都内で発見された正体不明の路上芸術家バンクシーの作品に似たねずみのアートを、今月末に始まる大型連休中に、都庁内で公開することを検討していると明かした。

「(見たいという)希望も寄せられており、ゴールデンウイークに向けて、都庁の中で展示することを検討している。都庁を、もっと親しまれる身近な庁舎にしたい」と、述べた。都は日程調整に入った。

一方で小池氏は、バンクシー側に連絡を取っているものの「今のところ返事はない」とも述べ、作品の真贋(しんがん)は、まだ確認されていない状態であることも明らかにした。

このアートは、傘をさし、かばんを手にしたねずみを描いたもので、今年1月までに東京都港区にある金属製の防潮扉に描かれているのが見つかった。昨年末、都民から「バンクシーの作品ではないか」との情報が寄せられたのがきっかけ。都は、作品が描かれた部分を取り外して保管し、並行して本物かどうかを確認する作業も進めてきた。

小池氏は1月、自身で発見場所に赴いた際に、ツイッターに写真とともに「東京都への贈り物かも」と、つぶやきを投稿。しかし、防潮扉に描かれていたことから、この発言が波紋を広げ、その後「バンクシーとはいえ、落書きだ。落書きを許すということではない」と説明した経緯がある。