天皇陛下は30日夕、皇居・宮殿「松の間」で、「退位礼正殿(せいでん)の儀」に臨まれた。在位中最後のお言葉で「今日をもち、天皇としての務めを終えることになりました」「支えてくれた国民に、心から感謝します」と述べた。退位礼正殿の儀は代替わりの重要儀式で、皇族や三権の長、閣僚らが参列した。

85歳の陛下はこの日限りで退位し、5月1日に59歳の皇太子さまが新天皇に即位する。30年余りの「平成」が幕を閉じ「令和」に改元される。天皇の退位は、江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで、憲政史上初となる。

 

天皇陛下が述べられたお言葉の全文は次の通り。

今日(こんにち)をもち、天皇としての務めを終えることになりました。

ただ今、国民を代表して、安倍内閣総理大臣の述べられた言葉に、深く謝意を表します。

即位から30年、これまでの天皇としての務めを、国民への深い信頼と敬愛をもって行い得たことは、幸せなことでした。象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します。

明日から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここにわが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。