社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーで、アベ首相こと福本ヒデ(47)が、これまでに書きためた政治風刺画を「永田町絵画館」(ワニブックス)として出版することになり23日、都内で会見した。

アベ首相になりきった福本は「私は絵が大好き。絵空事も、絵に描いた餅も…」と、アベ節全開。作品は、普段コントにしている政治風刺を、世界の名画とコラボレーションして描いたもので、モデルは首相や昭恵夫人、自民党の石破茂元幹事長ら、野党幹部ら政界の話題の人物ばかりだ。

フェルメールの「牛乳を注ぐ女」は、昭恵夫人を思わせる女性を描いた「火に油を注ぐ女」に。「悪気はないが、ついつい火に油を注ぐ行動をしてしまう。全国のフェルメールファンには怒られそうですが」と解説した。ムンクの「叫び」は、ライバルの声に耳をふさぐ首相の様子を描いて、パロディーにしたという。

絵の勉強はしていないが、もともと絵を描くのは好きで、美術検定2級も取得。個展も4年間、開いてきた。旧民主党政権時代、「最後の晩餐(ばんさん)」をテーマにコントをつくろうとしたことがあり、他の名画も風刺画のネタになるかもしれないと思い、美術館回りを始めたのが、絵画執筆のきっかけとか。「コントの際は顔にメークしなければならないが、絵は紙に書くだけ。自分の顔より楽」と話した。

短いもので2時間くらいで書き上げるが、「ムンク」は数日を要した。来月1日から都内で個展を開くが、安倍首相を含むネタにした政治家全員に招待状を発送しており、来場に期待を示した。石破氏はかつて、閣僚時代にも個展に足を運んでくれたという。「国民民主党の議員にも来てほしいが、選挙に誘われたら困るなあ(笑い)」。

福本は「この風刺画を見ることで、本物の名画に興味を持つきっかけになってくれれば」と話した。