日本で初めてアスリートのセカンドキャリアに特化した支援機関「日本営業大学」の設立記念講演会が16日、都内で開催された。3部構成の第3部で行われたパネルディスカッションでは、「アスリート人財が活躍するために必要な『あり方』とは」をテーマに、元関取・玉海力の河辺幸夫氏や元阪神投手の星山忠弘氏ら、6人の企業経営者が登壇した。

飲食店を国内外で展開する河辺氏は「実はセカンドキャリアという言葉は好きじゃない。現役の時には刹那的に頑張って欲しいし、それが共感を呼ぶが、だからこそ、競技をやめた後に貧困にならないように、このような組織を設立してもらえることは大変素晴らしいこと」と日本営業大学の趣旨に賛同した。

不動産業を営む星山氏は「プロ野球の世界から一般社会に出たときに、とてもギャップを感じた。大切なのは、本当に頭を切り替え、30歳を超えても高校1年に戻った気持ちでできるかだと思う」と持論を語った。

日本営業大学は一般社団法人S.E.A(本部・大阪市)が運営する機関で来年4月に開校する。アスリートの就職に必要な社会人マナーや営業スキルの教育をはじめ、就職先を紹介した上で、企業への定着を目指している。アスリートの受け入れ先となる会員企業は既に20を超えたといい、同大学の学長を務める中田仁之氏は「単なる就職あっせん企業とは違う」と理念を強調した。

なお、第1部では柔道のシドニーオリンピック(五輪)銀メダリスト篠原信一氏が「アスリート人財のススメ」と題して基調講演を行った。