東京都中野区にある2つの総合病院で、新型コロナウイルスの院内感染とみられる事例が相次ぎ、住民らに不安や困惑が広がっている。中野江古田病院(173床)では入院患者、医師らスタッフで計92人もの感染が判明。総合東京病院(451床)でも看護師と入院患者計5人の感染を発表した。

2つの病院は、西武新宿線沼袋駅から商店街を抜けて、徒歩10分ほどの閑静な住宅地にある。偶然にも徒歩2分も離れていない。周辺には、ほかの病院や介護施設、老人なども多い。最近の様子について、近所の複数の人からは、中野江古田病院は、総合東京病院に比べて外来患者が少なめだったなどの話も出ていた。

近所の自営業の男性は「いつもは救急車がよく来ていたけど、最近来ないなあと思っていた。ニュースが流れて、人通りも少なくなりました」と街の様子を話す。中野江古田病院前には中野駅や練馬駅行きのバス停があるが、近くの女性は「バスに乗れなくなりました」といい、買い物も歩いて行くようにしているという。

散歩中の女性は「買い物は、回数を減らしたり1人で行くとか、もう少し個人の意識を高めなきゃと思いました」。別の自営業の男性は「それぞれ役割を果たしている、地域にとって必要な病院。今は情報がほしいです」などと話していた。