コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園で、ネモフィラの花が満開で見頃を迎えている。英名で、赤ちゃんの澄んだ瞳という意味で「ベビーブルーアイズ」と呼ばれる。小さくてかわいい淡い青色の花が4・2ヘクタールの丘一面に530万本咲き誇る光景は圧巻だ。

昨年、見頃の約2週間で90万人近くが来園した。だが、今年は違う。見る人が誰もいない無人の園。新型コロナウイルス感染拡大防止の対策で、4日に臨時休園となった。

昨年より80万本多く植え、スタッフは一生懸命育て、準備してきた。花は暖冬の影響で例年より早い見頃を迎えたが、来園者がいないひっそりとした丘で咲き、風で揺れている。同園は、ホームページやSNSで花の写真や動画を発信している。管理センターの田村泰紀さんは「来園を予定していた人たちには申し訳ない気持ちでいっぱいです。でもネモフィラの花は来年も咲かせます。終息後に来ていただきたい」と話した。

昨年も同園に撮影取材で訪れた。絶景に感動し、心が洗われたことを思い起こした。多くの人たちがネモフィラの花を見たり、写真を撮ったりし、笑顔になっていた。再開後に多くの来園者に楽しんでもらうため、同園スタッフは一丸となって、さまざまな花を育てている。早い終息を願うばかりだ。【江口和貴】

<撮影データ>4月16日午前11時49分撮影 キヤノン「EOS-1DX Mark2」 70-200ミリ(焦点距離200ミリ) ISO感度100 シャッタースピード1250分の1 絞り2.8