関西3府県で緊急事態宣言が解除されてから、初めての週末となった23日、緊急事態宣言が発令中の東京・渋谷には多くの人出があった。

沖縄から仕事で訪れた、20代女性3人組は「(どこから来たか)あまり言いたくないんです」と大きなキャリーケースを横に、もどかしそう。2泊3日のスケジュール最終日のこの日、後ろめたいと言いながら「普段はこんなに空いていないから」と、ハチ公と記念写真を撮っていた。沖縄では緊急事態宣言が解除されているが「菌を持って帰ってくると言われるため、沖縄の人に東京に行っているとは言えない」と誹謗(ひぼう)中傷を恐れた。

休校が続きアルバイトもできない中、上京してきた学生が、家を借りるお金が無いことから、友人の家を転々とする事は少なくない。友人を実家に泊めるために、渋谷に迎えに来た男性(20)は「ニュースで見ていたより人が多い」と驚きの表情を見せた。

男性は、友人の状況について「想像を絶するくらい、精神的にもきついと思う」と思いやった。「ここまで長引くとは思わなかった」とし、「難しいのはわかっているが、収束してから緊急事態宣言解除がベスト」と話した。

多くの企業が、新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる現状に「『大手に入社しろ』と、親が言う意味がわかった」と、意識の変容を明かした。将来について考えた時、「自分がやりたいこと」を優先するより「この職業なら、安定して働ける」と、視点が変わるきっかけにもなったと話した。