将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(18)が最年長タイトルホルダー、木村一基王位(47)に挑戦する第61期王位戦7番勝負第3局が4、5の両日、有馬温泉(神戸市北区)の中の坊瑞苑(ずいえん)で行われる。ここまで2勝0敗と先行する藤井は第3局に勝つと、一気に最年少での2冠に王手をかける。

対局は持ち時間が各8時間の2日制。1日目は夕方に封じ手をする。2日目は5日午前9時に再開し、夜までに決着する見込み。


藤井聡太七段の公式戦成績/188勝35敗


前日会見

藤井棋聖、初の温泉地での対局に「リラックスして」

木村王位、有馬温泉「銀泉」で疲れ癒しリベンジ狙う


前日会見に臨んだ藤井聡太棋聖(撮影・松浦隆司)
前日会見に臨んだ藤井聡太棋聖(撮影・松浦隆司)
前日検分に臨んだ藤井聡太棋聖(左)と木村一基王位(日本将棋連盟提供)
前日検分に臨んだ藤井聡太棋聖(左)と木村一基王位(日本将棋連盟提供)
前日検分に臨んだ藤井聡太棋聖(左)と木村一基王位(日本将棋連盟提供)
前日検分に臨んだ藤井聡太棋聖(左)と木村一基王位(日本将棋連盟提供)

対局(4日)

【午前8:43】 紺の着物、濃い緑色の羽織の和装姿で藤井が入室。同49分、木村は白の着物に紺色の羽織で対局場に登場した。

【午前9:00】 立会人の淡路仁茂九段(70)が定刻になったことを告げると、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の藤井はいつものようにお茶を一口飲み、心を整えてから7六歩と角道を開けた。木村は約1分考え、飛車先の歩を突いた。戦型は矢倉に決まった。


第61期王位戦7番勝負の第3局に臨んだ藤井聡太棋聖(左)、木村一基王位(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負の第3局に臨んだ藤井聡太棋聖(左)、木村一基王位(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負の第3局で初手を指す藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負の第3局で初手を指す藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負の第3局に臨んだ木村一基王位(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負の第3局に臨んだ木村一基王位(日本将棋連盟提供)

【おやつ】 藤井棋聖は1日目午前のおやつに「本生わらび餅(抹茶)」とアイスコーヒーを注文した。木村王位はおやつをオーダーせずにブレンドコーヒー(ブラック)を注文。


藤井聡太棋聖が午前のおやつに注文した「本生わらび餅(抹茶)」とアイスコーヒー(日本将棋連盟提供)
藤井聡太棋聖が午前のおやつに注文した「本生わらび餅(抹茶)」とアイスコーヒー(日本将棋連盟提供)
木村一基王位が午前おやつタイムに注文したブレンドコーヒー(ブラック)(日本将棋連盟提供)
木村一基王位が午前おやつタイムに注文したブレンドコーヒー(ブラック)(日本将棋連盟提供)

【午前】 対局は先手の藤井棋聖、後手の木村王位とも、初日の午前中は矢倉にガッチリ組み合う展開となった。

【勝負メシ】 藤井棋聖の勝負メシは「神戸牛すき鍋膳」。黒毛和牛の最高峰の1つとして有名な神戸牛に酢の物、ごはん、生卵、デザートがついている豪華メニュー。木村王位は「うな重膳(ご飯少なめ)」を注文した。肉厚の国産のうなぎに名物の有馬山椒(さんしょう)で味わいが豊かになる逸品だ。両者はたっぷりと栄養を補給し、万全の態勢で午後1時30分から対局に臨んだ。


藤井聡太棋聖が勝負メシに注文した「神戸牛すき鍋膳」(日本将棋連盟提供)
藤井聡太棋聖が勝負メシに注文した「神戸牛すき鍋膳」(日本将棋連盟提供)
木村一基王位が勝負メシに注文した「うな重膳(ご飯少なめ)」(日本将棋連盟提供)
木村一基王位が勝負メシに注文した「うな重膳(ご飯少なめ)」(日本将棋連盟提供)

【午後】 お互い矢倉から指し手に時間を使い合っている。じっくりした流れのなかで、お互いの出方をうかがっている。

【おやつ】 藤井は1日目午後のおやつに「フルーツの盛り合わせ」とアイスレモンティーを注文した。 午前のおやつを注文しなかった木村は午後のおやつに「冷やしぜんざい」とパインジュースをオーダーした。

藤井聡太棋聖が午後のおやつに注文した「フルーツ盛り合わせ」とアイスレモンティー(日本将棋連盟提供)
藤井聡太棋聖が午後のおやつに注文した「フルーツ盛り合わせ」とアイスレモンティー(日本将棋連盟提供)
木村一基王位が午後のおやつに注文した「冷やしぜんざい」とパインジュース(日本将棋連盟提供)
木村一基王位が午後のおやつに注文した「冷やしぜんざい」とパインジュース(日本将棋連盟提供)

【1日目終了】 午後6時すぎ、後手の木村が46手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は藤井が4時間12分、木村が3時間34分。

第61期王位戦7番勝負第3局で木村一基王位の封じ手を待つ藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負第3局で木村一基王位の封じ手を待つ藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負第3局で、木村一基王位(右)が立会人の淡路仁茂九段に封じ手の封筒を手渡す。中央後方は藤井聡太棋聖(中、日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負第3局で、木村一基王位(右)が立会人の淡路仁茂九段に封じ手の封筒を手渡す。中央後方は藤井聡太棋聖(中、日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負第3局の封じ手の封筒に署名をする藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)
第61期王位戦7番勝負第3局の封じ手の封筒に署名をする藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)


◆藤井聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日、愛知県瀬戸市生まれ。5歳で祖母から将棋を教わり、地元の教室に通い始める。杉本昌隆八段門下。16年10月、14歳2カ月の史上最年少でプロ(四段)に。史上5人目の中学生棋士でもある。名古屋大学教育学部付属高3年。17年6月、デビューから負けなしの29連勝で、将棋界の連勝新記録を達成。18年2月、朝日杯で史上最年少の公式戦初制覇。同年10月には新人王戦も制した。翌年2月、朝日杯連覇。昨年度、史上初の3年連続勝率8割以上を記録。今年7月には史上最年少で初タイトルを獲得した。通算成績は188勝35敗