「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が1日、投開票され、僅差で反対が賛成を上回り、大阪市の存続が決まった。大阪維新の会代表代行の吉村洋文大阪府知事(45)は、今回の敗因について「僕の説明不足」と述べた。

維新として、2度目の挑戦も「賛成多数」にならなかった理由を聞かれ「僕自身の力不足に尽きると思う。やはり反対派の方の方が熱量が強かったと思う。否決されたということは『間違っていた』(ということ)」と語った。

吉村知事は、新型コロナウイルスへの対応で、全国的にも知名度が急上昇し、発信力への注目も高まった。自ら広告塔となり、支持拡大に奔走も、維新10年来の宿願はかなわなかった。

一方で、コロナ禍による都構想への影響もゼロではなかった。「都構想は僕にとっては市長選に出たときから、僕自身の説明、市民のみなさんへの説明は始まってるわけです」とし、「20日間、本質的な影響にはなってない。十分に説明しきれなかったのが敗因」と、繰り返した。

今後、3度目の「大阪都構想挑戦」があるか否かについては「あと任期2年半、まっとうしたい。都構想再挑戦を僕がすることはありません」と否定した。

23年春の任期満了で退く松井市長に対し、吉村知事は「尊敬する政治家」とし、「僕が何か言えることはない」とした。大阪維新の会は、橋下徹元大阪市長が創設。前回住民投票で敗れ、政界を退いた後は、松井市長がけん引してきた。「大阪維新の看板だった橋下(徹)さんがいなくなって、『党も終了だ』と言われていた中で、松井代表が引っ張ってこられた」と述べた。

会見で、松井市長は吉村知事の世代へバトンタッチする意向を明言。吉村知事は「2年半任期をまっとうしながら、政治家としてどうするか考えたい」と述べた。