任期満了に伴う千葉県知事選は21日、投開票され、立憲民主党県連に加え、自民党や公明党の一部国会議員も支援に回った前千葉市長熊谷俊人氏(43)が、自民党推薦の関政幸氏(41)ら7人を破り圧勝し、初当選を果たした。現職の森田健作知事(71)は近く3期12年の任期を終え、退任する。

地方選で負けが続いている自民党は今回、熊谷氏と関氏で支持が割れる保守分裂となり、またもや敗北を喫した。早期の衆院解散・総選挙が自民党内でささやかれるほか、今年7月には小池百合子都知事のお膝元、東京都で都議会議員選挙が予定されており、地方での戦い方があらためて問われることになりそうだ。

熊谷氏は、千葉市議や千葉市長を歴任。当選確実を決めた後の会見で、新型コロナウイルス対策への取り組み強化に意欲をみせた。

千葉県では首都圏同様に新型コロナ感染が収束しておらず、就任早々、早急な対応が求められることになる。

現在知事を務める森田知事は国会議員時代から近い関係にあった菅義偉首相とのパイプが太く、コロナ対策をめぐる国との連携では一定の存在感を示した。その後を引き継ぐ形となる熊谷氏だけに、国との連携に向けた手腕が問われるほか、小池百合子都知事ら首都県知事との足並みをうまくそろえていけるかどうかも、今後の焦点になりそうだ。

知事選の投票率は38・99%で、前回から7・81ポイント増えた。熊谷氏は北海道の鈴木直道知事(40)に次ぐ、全国で2番目に若い知事となる。