ロシアの侵攻を受けるウクライナの郵便局が12日、侵攻初日にロシア艦から降伏を命じられたウクライナ兵が発した「ロシアの軍艦、くたばれ」の文言が記された記念切手の発売を発表した。

米メディアによると、ウクライナ郵便局が2月24日に侵攻を受けたズミイヌイ島でロシア軍艦の投降要求に「くたばれ」と叫んで捕虜となった国境警備隊員のエピソードを記念して発行したもので、一般からデザインを公募し、フェイスブック上で投票が行われていた。この言葉を発した兵士は、中部チェルカースィ州知事から勲章を授与されており、切手のお披露目式にも招かれたという。

20種類のデザインから選ばれたのは、1人の兵士が海岸に近づく軍艦に向かって中指を立てるイラストと、ズミイヌイ島の地形と大きな軍艦の前に立ちはだかる兵士の姿が描かれたイラストの下に「ロシアの軍艦、くたばれ」の文言が記された2種類。ウクライナ郵便局は、「この切手で、海外にも手紙やはがきを送ることができる。特別な切手が貼られたウクライナからの手紙を、ウクライナ人や海外にいる私たちの友人は喜んで受け取るでしょう。この切手によって私たちは再び、侵略者はただちに我々の土地から出ていくべきだと思い出させてくれる」と述べており、ゼレンスキー大統領もインスタグラムで切手帳を手にする写真を投稿している。

当初はこの言葉を発した隊員を含む13人全員が降伏に抵抗して戦死したと伝えられ、ゼレンスキー大統領も「英雄だ」と死を悼むコメントを発表したが、3日後に一転して捕虜となって生存していることが判明し、世界中にこのエピソードが伝えられることとなった。その後、13人は捕虜交換で解放され、この言葉はウクライナの人々の間でロシア軍への抵抗を象徴するスローガンとなった。(ロサンゼルス=千歳香奈子)