東京・明治神宮外苑再開発をめぐり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)の日本国内委員会は21日、都庁で会見し、東京都の小池百合子知事らに対し、都の環境影響評価(アセスメント)審議会での審議を、再度行うよう求めた要請書を提出したと明かした。
日本イコモス側は科学的見地やデータをもとに、事業者側が提出した評価書には虚偽や事実誤認の内容があると再三、指摘していたが、審議会側は今年5月、事業者側の評価書に虚偽などは確認されないとして、審議は終結した。イコモス側はその後も働きかけを続け、9月にはイコモス本部が事業者らに対して、貴重な文化的資産が危機に直面している場合に出される緊急要請「ヘリテージ・アラート」を発出。これに対し、事業者側が反論する内容の声明を出すなどの経緯をたどっている。
この日会見した日本イコモスの石川幹子理事は、審議会での再審要請について「ヘリテージ・アラートに(明確な形での)回答がなかったことを、大変深刻に受け止めている。アセスの問題がこれだけ明らかなのに、専門家の意見にも耳を貸さない」と主張。また、評価書の中で、天然記念物「ヒトツバタゴ(通称ナンジャモンジャ)」という歴史的樹木に関する検証が欠落しているとして「科学的調査や予測・評価を基本とする環境影響評価の基本を揺るがすもの」だとして、審議会での再審を求めた。「国際社会が憂慮している問題だ」とも指摘した。
今後に向けて、専門家が入った協議会の設置を求めたほか、要請書には、公園緑地行政を所管する国交省が主管となった検討委員会を立ち上げて、今回の課題に取り組むべきとの要望も記したという。

