藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・王座・王将・棋聖=22)が、区切りのタイトル戦通算100勝を達成した。増田康宏八段(27)に連勝して迎えた、将棋の第50期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第3局が2日、新潟市「新潟グランドホテル」で行われた。午前9時から始まった対局は、午後4時1分、同一局面が4回出る千日手が成立。先手後手を入れ替えた指し直し局を制し、3連勝で3連覇を達成した。タイトル獲得も通算「27期」となり、谷川浩司17世名人と並んで将棋界5位タイとなった。
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指し直し局で、藤井が中盤のねじり合いから最後の最後に抜け出した。きわどい勝負をモノにしての3連勝。「馬を作って手厚くできるかと思ったが、対応がわからなかった」。千日手局の反省をしつつ、「内容的にきわどい将棋の連続で実感はありません。結果を残せたのはうれしく思います」。喉の調子が思わしくないのか、時折せき込む。終局後はマスクもしたが、感想戦では笑顔を見せていた。
棋王戦3連覇は、タイトル戦100勝、獲得通算27期と、記録ずくめの防衛劇となった。特筆すべきは、獲得通算記録のスピードだろう。谷川は1976年(昭51)12月20日のデビュー以来、04年3月20日に通算27期目となる棋王を獲得するまで、27年3カ月を要した。藤井は、16年10月1日デビューからわずか8年5カ月での達成。「光速の寄せ」谷川より3倍速強のスピードで、終了したタイトル戦の戦績は28戦27勝1敗(昨年の叡王戦でタイトルを失っただけ)と、驚異的な獲得率を誇る。「長く活躍できるよう、取り組んでいきたい」と、今後の抱負も語った。
来週8、9日には4連覇まであと1勝とした王将戦の第5局(埼玉県深谷市)が控えている。勝てばタイトル獲得通算28期となり、谷川を抜く。来年度のタイトル戦線では、通算31期で4位の渡辺明九段の記録も視野に入る。
今回の新潟入りに際しては、過去2年の信越本線とは違い、上越新幹線を利用した。「険しい山地を抜けていく感じで、改めて新潟県にはいろいろな景色がある」と前夜祭で話した。この先も山あり谷ありかもしれないが、1局1局集中して積み上げていく。【赤塚辰浩】

