日本維新の会の猪瀬直樹参院議員は2日の参院予算委員会で、医療費の削減に早急に取り組むべきと石破茂首相に指摘した際、小泉進次郎農相の政府備蓄米対応を引き合いに、スピード感をもって進めるよう強く求めた。
猪瀬氏は「今年3月の質問で、膨張を続ける医療費は昭和16年当時の軍事費拡大とパラレルだと、今や、一般歳出に占める社会保障関係費の割合は56%に達していると、指摘した」として「総理はその時、ある予算品目が、全体予算の4割を超えるようになるとその国全体の財政は破滅に向かうとどこかで読んだことがあるとお答えになった。その考えに今も変わりないですね」と指摘した。
石破首相が「まったく変わりはございません」と応じると、猪瀬氏は「危機感は総理も十分、共有されている。今日も、医療費をどうやって削減していくかについて建設的な議論をしたい」と述べ、作家らしく童話「不思議な国のアリス」の続編「鏡の国のアリス」の一場面に言及した。
「アリスが裏返しの世界に入り込み、赤の女王といっしょに走っている場面」として、チャットGPTで作成したとする画像を、フリップで紹介。「アリスは走っても走っても、景色がまったく変わらないと気付く。アリスが不思議がると、赤の女王は『ここでは同じ場所にとどまるには、できるだけ早く走らないといけないのよ』と言います」と説明しながら「(画像を作成するのに使った)チャットGPTのように、世の中はものすごいスピードで進んでいる。周りが動いている中では、ちょっと走っているくらいでは置いて行かれてしまいます」と述べ、石破政権の医療費削減対策が不十分との認識を、暗に指摘した。
その上で、「コメ改革における小泉進次郎農水大臣くらいのスピード感がないと、走っていることにならないんです」と述べ、石破首相に医療費改革でのスピード感を出すよう求めた。
NHKの国会中継ではその瞬間の石破首相の表情が映し出されたが、石破首相はぶぜんしたような表情で、上目遣いで猪瀬氏を自席から見つめていた。
猪瀬氏は「医療費は5年前の43兆円が今は48兆円。毎年1兆円ずつ増えている」とした上で「あと2、3年で50兆円になる。小手先の削減をしたくらいでは、その膨張圧力にはまったく追いついていけない」と主張。「まずは1割の4兆円について、質を落とさずに医療費のさまざまな無駄を省いて減らしていく。その後も、医療のいろんな分野での構造改革をやっていく。これが今後もこの国の医療と健康保険制度を維持していくのに、絶対必要なんだとあらためて指摘したい」とも訴えた。
猪瀬氏は、進次郎氏の父、小泉純一郎氏の政権で、道路公団の民営化に向けた改革に取り組んだこともある。

