新たなご意見番の登場です。6月に政界を引退し、ジャーナリストに復帰した石原伸晃氏(68)が、毎月隔週月曜日にコラムで思いのたけをぶつけます。
経済再生担当相、環境相、国交相を歴任した政治、経済、社会問題は無論、スポーツ、文化などまで俎上(そじょう)に載せていく予定です。異論、反論、炎上は望むところ。賛同、共感も大歓迎。まずは日刊スポーツとの不思議な縁からスタートです。
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■小学1年からの「縁」
写真は昭和39年、東京オリンピック開会式を記者席より観戦している父、石原慎太郎と当時小学校1年生だった私。
父は日刊スポーツの依頼で開会式のルポルタージュを書き、横に座る私は、見たこと、感じたことを文章にしろ、と父に言われ、一生懸命メモを取っている。
子供心に一人前扱いされたことがうれしかった特別な体験で、しかも後日その拙い感想文をガリバン刷りの学級新聞に載せてもらえたのは晴れがましいことだった。
開会式前日は台風の影響で雨が降りどうなることかと家族中で気をもんだが、10月10日当日は爽やかな秋晴れとなり、赤ブレザーと白ズボンの日の丸ウエアで整然と行進する選手団に惜しみない拍手を送り、抜けるような青空の中、鮮やかに五輪マークを描いてみせたブルーインパルスの曲技飛行に狂乱した。
今思えばあれは国に誇りを持ち、応援という共感で社会との横のつながりを体得した、私の愛国心の礎となる貴重な1日だった。
7歳の私に初稿を書くきっかけを与え、スポーツによる一体感と高揚感を教えてくれ、あまつさえ当日の写真を撮っていてくださった日刊スポーツにこのたびこうして連載の依頼を頂いたことにご縁と感謝を感じている。
■様変わりした世界で
今年6月に36年間務め上げた政界を引退した。今後は古巣のジャーナリズムの世界に戻り、発信を続けていきたいと考えている。
しかしながらこの世界の様変わりといったらまさに隔世の感がある。私が日本テレビに入社した昭和50年代、ナイター中継の巨人戦は毎晩100万人が視聴するドル箱放送と言われたものだった。その途方もない数字に入社当時おののいたものだ。
それが昨今のソーシャルメディアの再生数といったら数百万、数千万。
世界に目を向ければサッカー選手のロナウドは総計10億人のフォロワーがいるというではないか。
テレビやラジオでの発言、ソーシャルメディアでの発信、どこかでつぶやいた感想、所見がすさまじい勢いで拡散し、それに対して巻き起こる賛否両論、共感と反感。なんとも恐ろしく、しかしやりがいのあるオンライン社会がいつの間にか確立していた。
この中にあって私は社会の実相に切り込み、事実の裏に隠された真相を探り、伝えていきたいと考えている。言いたいことが山ほどある。
ご意見、ばんばん寄せて下さい。
◆石原伸晃(いしはら・のぶてる)1957年(昭32)4月19日、神奈川・鎌倉市生まれ。逗子市出身。慶大文卒。日本テレビ記者を経て90年衆院選で初当選。自民党幹事長のほか国土交通相、環境相などの要職を歴任した。2021年衆院選で落選。25年参院選への出馬を目指したが自民党の公認を得られず断念。同年6月に政界引退を表明した。父親は「太陽の季節」で芥川賞を受賞した作家で、都知事などを務めた政治家の石原慎太郎氏。4兄弟の長男で、次男はタレント石原良純(63)、三男は自民党衆院議員の石原宏高氏(61)、四男は画家の石原延啓氏(59)。叔父は俳優の石原裕次郎。

