藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)との将棋「第73期王座戦5番勝負」を3勝2敗で制し、初めて王座を獲得した伊藤匠王座(叡王=23)が激闘から一夜明けた29日、対局場でもあった甲府市「常磐ホテル」で会見に応じた。そのなかで同学年の藤井6冠との距離感について言及した。

藤井とは23年10~11月の竜王戦7番勝負で初めてタイトル戦を戦った。まったく歯が立たず4連敗。24年2~3月の棋王戦5番勝負は開幕局の持将棋引き分け後に3連敗した。昨年6月の叡王戦5番勝負で3勝2敗とフルセットの末に下し、初めてタイトルを奪い、タイトル戦負けなしで8冠をすべて保持していた藤井を7冠に後退させると、今回さらに王座を奪って自身は2冠、藤井を6冠にさせた。タイトル戦で藤井に勝った男は、伊藤しかいない。

これを踏まえ、「自分としては、藤井さんに初めて挑戦したころは競り合いに持ち込めなかった。そこから叡王戦や王座戦など、徐々に自分自身の内容も良くなってきていると感じていますし、今回のシリーズでは第3局、第5局など、今までの対藤井戦ではできなかった将棋ができた。自信につながると思います」と語った。

将棋界5人目の中学生棋士として16年10月にデビューした藤井から遅れること4年、子ども大会の時からライバルだった伊藤は、「以前はなかなかよい将棋にするのも難しいという感覚だったんですけど、最近はある程度よい勝負ができているという感覚はあります」と自己分析する。

今後、2日制7番勝負で再度相まみえる日も遠くはない。その時の対決に注目だ。