藤井聡太王将(竜王・名人・王位・棋聖・棋王=23)に永瀬拓矢九段(33)が2期連続で挑戦する将棋のALSOK杯第75期王将戦7番勝負第6局が18日、名古屋市「名古屋対局場」で始まり、午後6時過ぎ、先手の藤井が55手目を封じて1日目を終えた。シリーズ成績は永瀬の3勝2敗。第5局で2日制7番勝負では初めての「かど番」をしのいだ藤井が踏ん張って5連覇へ望みをつなぐか、王将初奪取を目指す永瀬が決着をつけるか。注目の一戦だ。
負ければ失冠となる藤井は、自身のエース戦法「角換わり」をぶつけた。永瀬は30手目に意表を突く7筋の歩を突き出し、前例のない戦いに持ち込んだ。永瀬の研究手が奏功し、藤井が時間を使わされる展開となった。
正念場で選んだ勝負メシは、地鶏の王様ともいわれる「名古屋コーチン」の目玉焼きをのせた叉焼飯(チャーシューハン)セット。スタミナをつけ、午後の長考合戦に挑んだ。
増田康宏八段を挑戦に迎えている棋王戦5番勝負でも失冠の危機に立たされているが、第4局では持ち前の終盤力を発揮し、2勝2敗のタイに戻した。不調説もあったが、ここにきて復調気配を示している。それでも2冠同時失冠の瀬戸際に変わりはない。
2日制7番勝負のタイトル戦(竜王・名人・王位・王将)で、1勝3敗の絶体絶命から逆転して3連勝した例はわずか4例しかない。若き王者が底力を見せられるか。形勢はほぼ互角。2日目は19日午前9時に再開する。激戦になりそうだ。【松浦隆司】

