ナムラクレアが「2段階加速」で差し切った。4コーナーを回ってシャインガーネット、ファストフォースの間に進路を取ると、浜中騎手は間髪入れず追い出しにかかった。快調に逃げるマッドクール目がけて右ムチを2発。一気に2馬身差まで接近し、残り1ハロンではやや内にモタれたものの立て直して再加速。3頭のたたき合いを制した。

ゴール前抜け出してシルクロードSを制したナムラクレア(右)(撮影・白石智彦)
ゴール前抜け出してシルクロードSを制したナムラクレア(右)(撮影・白石智彦)

以前は「一瞬」しかいい脚が使えなかったが、持久力を高めるために追い切りを坂路からCウッドコースに変更。その効果がいきなり形となって表れた。上がりは最速の32秒9。自分から動いて強力な先行馬を捉えにいき、返す刀で後続の追い上げも封じた。苦しくなってからもうひと伸びできる。このあたりが3歳時との大きな違いだ。

浜中騎手も「成長」を感じていたから、追い出しを待たず積極的に仕掛けていけた。2、3歳時は阪神JF5着、桜花賞3着と惜しいところでG1のタイトルを逃したが、今回のような競馬ができれば牡馬相手でも十分勝負になる。高松宮記念に向けて、夢が膨らむ勝利だった。