団野騎手の攻めの騎乗がファストフォースにG1制覇をもたらした。一番の勝因は3コーナーのポジション取りだ。大外のウインマーベルにいったん前へ出られたが、手綱を押して進入は許さない。少しスピードを上げて、内から馬体を寄せるように5、6番手をキープした。

ファストフォースで高松宮記念を制し力強くガッツポーズするG1初制覇の団野騎手(撮影・白石智彦)
ファストフォースで高松宮記念を制し力強くガッツポーズするG1初制覇の団野騎手(撮影・白石智彦)

もし、あそこで前へ入られたら1列下がり、競馬が難しくなる。もともとためて切れる馬ではなく、惰性をつけてトップスピードに乗るタイプ。団野騎手も分かっているから、4コーナー手前からずっと鼓舞し続けた。直線では前を走るアグリの内へ進路を切り替え、オパールシャルムとの間を突いた。

ここでも内メイケイエールとの進路争いに勝った。すべてに先手、先手で仕掛けた鞍上の好騎乗が光る。520キロの大型馬。1度でも手綱を引いてブレーキをかければ、再浮上するのは難しい。走りのリズムを崩さず、馬のパワーを最大限引き出した。道悪、外枠など恵まれた面もあったとはいえ、前走で敗れたナムラクレアの追い上げを退けられたのは、団野騎手の好リードがあったからだ。

ヒーローインタビューを終えてガッツポーズするG1初制覇の団野騎手(撮影・白石智彦)
ヒーローインタビューを終えてガッツポーズするG1初制覇の団野騎手(撮影・白石智彦)