24日(日曜)のジャパンカップに参戦する外国馬が発表されました。選出された3頭は欧州のトップクラスばかり。ジャパンカップは05年優勝のアルカセットを最後に日本馬の天下が続いていますが、果たして今年はどうなるものか。今週はゴリアットとオーギュストロダンのプロフィルを紹介します。
<ゴリアット>
ゴリアットはG1独ダービー(芝2400メートル)などを制し、名種牡馬の名をほしいままにしたアドラーフルークの晩年の傑作です。代表産駒は凱旋門賞馬のトルカータータッソ。父はゴリアットが生まれた翌年の2021年4月に17歳で死亡しました。
曽祖母のグアダルーペ(その父モンズーン)はG1伊オークス馬で、主な近親馬に2017年のジャパンカップに参戦(シュヴァルグランの9着)したギニョール(父ケープクロス)がいます。
フランスのシャンティイ調教場に厩舎を構えるフランシス・アンリ・グラファール調教師に託されたゴリアットは3歳でデビュー。シーズンを4戦3勝で終えました。今年は4月のロードシーモア賞(芝2400メートル)から始動。ここはクリスチャン・デムーロ騎手を鞍上にして2着でしたが、マキシム・ギュイヨン騎手で臨んだG3エドヴィル賞(芝2400メートル、パリロンシャン)を3馬身差で優勝。デビューから6戦目で重賞勝ち馬となりました。6月のG2シャンティイ大賞(芝2400メートル、シャンティイ)で、G1香港ヴァーズ勝ちのジュンコの4着に入り、ロイヤルアスコット開催のG2ハードウィックS(芝2390メートル)では再びギュイヨン騎手とのコンビで3番手から差を詰めて勝ったアイルオブジュラに3馬身4分の3差の2着となりました。続くG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝2390メートル、アスコット)は9頭立ての7番人気タイと人気薄でしたが、初コンビのクリフトス・スミヨン騎手を鞍上に後方一気の末脚を決めて、のちの凱旋門賞馬ブルーストッキングに2馬身4分の1差をつけて優勝しました。このとき、オーギュストロダンは11馬身半差の5着でした。馬主に米国のJ・スチュワート氏が加わったのは、このあとのことです。
去勢馬で凱旋門賞に出走資格のなかったゴリアットは、ドイツのG1オイロパ賞(芝2400メートル)を使ってジャパンカップへ向かう予定でしたが、オイロパ賞の直前に脚にうみがたまって出走を取りやめ。仕切り直して向かった10月20日(日)のG2コンセイユドパリ賞(芝2200メートル、パリ・ロンシャン)にクリストフ・スミヨン騎手で参戦。不良馬場をきっちりと差しきって、単勝2・2倍の1番人気に応えました。ここまでの通算成績は10戦6勝、2着2回。キャリアのうち、8戦は芝2400メートル(2390メートル含む)で、全6勝のうち5勝は2400メートル(2390メートル含む)です。
管理するグラファール調教師はイラプトで2015年(ショウナンパンドラの6着)と2016年のジャパンカップ(キタサンブラックの14着)に参戦していて、これが3度目の挑戦です。
<オーギュストロダン>
オーギュストロダンはアイルランドで生産、調教された4歳牡馬。血統は父がディープインパクト、母ロードデンドロンは欧州の大種牡馬ガリレオの娘という良血馬です。
父のディープインパクトは説明不要。母のロードデントロンはG1フィリーズマイル(芝1600メートル)、G1オペラ賞(芝2000メートル)、G1ロッキンジS(芝1600メートル)に優勝。G1の英1000ギニー、英オークス、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフで2着しています。母の全姉のマジカルはG1英チャンピオンS(芝2000メートル)、G1愛チャンピオンS(芝2000メートル)2勝、G1英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(芝2390メートル)、G1タタソールズゴールドC(芝2100メートル、芝2000メートル)2勝、G1プリティポリーS(芝2000メートル)などG1だけで7勝した名牝。オークス馬のヌーヴォレコルトも同じ母系から出ています。
22年6月にカラ競馬場の芝1400メートル戦でデビューしたオーギュストロダンは、これを2着して2戦目に勝ち上がると、3戦目のG2チャンピオンズ・ジュヴェナイルS(芝1600メートル、レパーズタウン)で重賞初制覇。翌年のクラシックの登竜門とされるG1フューチュリティトロフィーS(芝1600メートル、ドンカスター)にも勝って4戦3勝で、シーズンを終えました。3歳の初戦となったG1英2000ギニー(芝1600メートル)は、休み明けと重馬場が重なって12着に惨敗しましたが、G1英ダービー(芝2410メートル、エプソムダウンズ)では直線で力強く伸びて優勝。続くG1愛ダービー(芝2400メートル、カラ)も2着に1馬身半差をつけて、16年ハーザンド以来の英愛ダービー連覇を達成しました。
世代のナンバーワンとして臨んだG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(芝2390メートル)は最終コーナー手前で急失速。最後は歩くようにして最下位10着で入線しました。陣営は不可解な負けの原因を究明しようとしましたが、疑われた心房細動などの症状はなく、英2000ギニーに続く原因不明の大敗は謎に包まれたままとなっています。
再調整されて向かった9月のG1愛チャンピオンS(芝2000メートル、レパーズタウン)を快勝したオーギュストロダンはこの年の締めくくりにG1ブリーダーズカップターフ(芝2400メートル、サンタアニタパーク)を選んで渡米。ペースが上がった3コーナーから内ラチ沿いに伸びて優勝。シャフリヤールを3着に下して、この年、4度目のG1勝ちを飾りました。
昨年いっぱいで引退して種牡馬入りの動きもありましたが、陣営はジャパンカップを念頭に現役続行を決定。3月のG1ドバイシーマクラシック(芝2410メートル)から始動しましたが、レベルスロマンスに大きく離されてしんがり12着で入線。ヤル気のなさが、またしても不可解な敗戦につながりました。
欧州に戻った5月のG1タタソールズゴールドC(芝2100メートル)は直線で先頭に立つ積極的な競馬も、ホワイトバーチに交わされて3馬身差の2着、続くロイヤルアスコット開催のG1プリンスオブウェールズS(芝2400メートル、アスコット)は4番手から残り400メートルで抜け出して優勝。6度目のG1制覇を飾ってオブライエン調教師に区切りのG1・400勝を贈りました。
前年の雪辱をかけて臨んだ7月のG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスは好位で構えたものの、徐々にポジションを下げて、ゴリアットに離された5着。連覇のかかったG1愛チャンピオンSは、エコノミクスとの一騎打ちに持ち込みましたが、クビ差の2着に惜敗。シンエンペラー(3着)に先着しました。
通算成績は15戦8勝、2着3回。これまでに挙げた8勝の内訳は1800メートル以下で3勝、2000メートルで2勝、2400メートル戦(2410メートル含む)で3勝。左回りは7戦4勝。良馬場では9戦5勝、2着2回、重・不良馬場では3戦2勝となっています。
エイダン・オブライエン厩舎の挑戦は04年のパワーズコート(10着)、20年のジョシュアツリー(10着)、17年のアイダホ(5着)、18年のカプリ(11着)、21年のジャパン(8着)、同年のブルーム(11着)に次いで7度目。今回は真価の問われる挑戦となりそうです。(ターフライター奥野庸介)



