札幌記念はG1じゃないけど、G1みたいです。ちまたでは「スーパーG2」なんて呼ばれるレースでもあり、馬産地北海道の牧場関係者は「G1に格上げを」とたびたび声を上げています。

今年はG1馬3頭を含む、G1連対経験馬が8頭が出走。ダービー&ドバイシーマC覇者シャフリヤール、大阪杯優勝馬の前年覇者ジャックドール、香港ヴァーズ勝ち馬ウインマリリン。有力馬がそろいました。

視覚的にも札幌記念は“G1感”があります。G1同様、札幌競馬場で調整中の出走予定馬は今週は紫色の特殊ゼッケンをつけて調教を行います(G1はレース1週前より着用)。札幌にはウインマリリンをはじめ、7頭が滞在しています。JRAによると、今年は札幌競馬場内でファンが追い切りを観覧できる公開調教は行わないとのこと。それなら通常ゼッケンでもいいはずですが、そこは北都最大の重賞。特別です。

この日、ウインマリリンの調教をつけた矢嶋技術調教師は「気持ちが乗って、体もできてきた。今週やって、どこまで上積みがあるか。滞在して乗り込んで、少しずつ筋肉も戻ってきている。使った方が良くなるけど、リズミカルな反発のある歩きができている」と上昇を感じ取ります。

先週11、12日は競馬場から北西に15キロほど離れた石狩湾近くの特設ステージでで音楽フェス「ライジングサンロックフェスティバル2023」が行われました。そちらの動員数は6万人超。ちなみに14年の競馬場新装後の札幌記念は、1着ハープスター→2着ゴールドシップで決着した同年の入場人員4万6097人が最多となっています。今年の出走馬は豪華アーティストが集う夏フェスのようなラインアップ。競馬場がフェス会場に…。レース当日はそんな錯覚を起こすような歓声が場内にとどろくことでしょう。【松田直樹】