高知のリケアサブル(牡、田中守)が4角先頭から押し切って重賞初制覇を果たした。勝ち時計は1分31秒8。鞍上の吉原寛人騎手(40=高知)は、ばんえいを除く現存する地方競馬全14場での重賞制覇という偉業を成し遂げた。

2馬身半差の2着には高知のワンウォリアー(牡、工藤)が入り、高知勢のワンツーで決まった。

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最後の1ピースをついにつかんだ。吉原騎手の地方競馬全14場での重賞制覇という偉業へ、残るは姫路のみだった。姫路で行われる重賞は現在、年間4鞍。他地区の騎手にとってその制覇は至難だが、今年3度目の挑戦でついに決めた。

序盤から兵庫の2頭が積極的に飛ばすなか、吉原騎手とリケアサブルは好位の外、3番手で折り合いをつけた。絶好の手応えのまま3角手前で満を持してスパート。同じ高知のワンウォリアーが外から差を詰めてきたが、手応えに余裕のあるリケアサブルが楽々と抜け出して素質の違いを見せつけた。

「強い勝ち方でした。調教でまたがったことはなかったですが、返し馬でまたがったときに背中の良さを感じました。直線も手応えが良かったですし、将来性も高いと思います」。名手・吉原も絶賛の素質馬が大偉業の相棒となった。

表彰式では鞍上への拍手が鳴りやまなかった。長年をかけて全国の競馬場を飛び回り、金字塔を打ち立てた。「本当にうれしいです。今年ラストの姫路での重賞だったので、背水の陣で挑みました。記念の日になりましたね」と笑顔が絶えなかった。重賞通算では153勝目。「次は重賞200勝を目指します!」。高らかに宣言して姫路を後にした。【松本健史】