8歳の安田翔伍少年は、父隆行騎手(当時)が91年の日本ダービーをトウカイテイオーで勝利する姿を現地で見ていた。

「レースの格式の高さは知っていた。その時は父ちゃんがダービー勝ったっていう喜びが大きかったです。その偉大さは今の方が感じますね」。それから33年後、その偉大なる頂きを、調教師としてつかんでみせた。

先週、トレセンで師にダービー初出走の気持ちを聞いた。「油断したら浮かれちゃうレース。レースよりも、馬。ダービーというのは考えずに、15時40分にある3歳の芝2400メートルという気持ちで挑みます」。ダノンデサイルと真摯(しんし)に向き合うことを何より大事にした。

誰もが喜びに浸るダービー勝利後も、まずは愛馬の状態を確認。横山典騎手から馬体の異常がないことを聞いてから、「ようやく喜んでいいのかなと楽になりました」と胸をなで下ろした。84年グレード制導入後では最年少の41歳でダービートレーナーとなった若き指揮官。これからも注目していきたい。

【中央競馬担当=下村琴葉】