8歳馬ホッコーメヴィウス(セン、清水久)が逃げ切りで重賞4勝目を手にした。鞍上の小牧加矢太騎手(27=音無)は待望のJRA重賞初勝利となった。

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4年間、強い“信念”を貫き続けた。20年の冬、父太騎手と行った銭湯の体重計に乗った時から、障害騎手としての道がスタートした。「おやじが僕の体重をのぞき込んで『障害騎手にならないか』と言われて…」。15歳の頃に1度、騎手の道を断念した加矢太騎手だが、尊敬する父の熱心な言葉に心を動かされた。

馬術での地位を捨てて、騎手へ。デビュー当初は落馬も多く「もう騎手としてはダメかもしれない…」と漏らしたこともある。それでも、時には父とお酒を飲みながら話もして「俺の長所は『気持ちが負けないこと』だから」と、自らを奮い立たせてきた。

「おやじがいなければ今の自分はいないし、何よりこの世界は面白い。勇気を出して1歩を踏み出すことで、世界がガラっと変わる。自分がもっと勝つことで、障害騎手を目指す人が増えてくれたらうれしいよ」

父に導かれ、騎手になった。その魅力を後世へ伝えたい-。重賞初制覇の裏側には、加矢太騎手の強い信念があった。

【中央競馬担当=藤本真育】