アジア競馬会議(ARC)のビジネスセッション1日目が28日、北海道札幌市のコンベンションセンターで行われた。3日間に分けて9つのテーマが論じられる。騎手の声を題材としたエキシビションセッションにはJRAを代表して武豊騎手(55)、クリストフ・ルメール騎手(45)が登壇した。
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武豊騎手は自身の経歴を振り返り、海外初騎乗となった89年の米国遠征の話などを披露した。武豊騎手は「シカゴのアーリントンパーク競馬場に行って、見るもの、触れるものが初めてで、新鮮で。まるで雑誌とか、絵本の中に飛び込んだ気持ちになりました。今までの自分が知っている競馬とは全然違うのだ、と。当時は日本でも競馬をやっているのかと、アメリカのホースマンに驚かれたのを覚えています」と回顧した。
今年で騎手生活38年目。JRAで年上の現役騎手は柴田善臣騎手(58)、横山典弘騎手(56)の2人だけになった。JRA通算4532勝。今でも向上心を持ち続けている。「騎手という仕事はたくさんの危険とプレッシャーとストレスと付き合っていかないといけないと思っている」とした上で、騎手としての喜びをかみしめる日々だ。
「38年間やっていますが、(競馬は)その38年間でも進歩、進化しています。まだ可能性はたくさんあります。これだけファンに愛されて、応援されている競馬は胸を張れます。もっとどうなっていくのか、楽しみをもっています。(騎手生活は)いつまでやればいいのか聞きたいですね。子どもの頃から騎手になりたいと思っていて、今も乗せてもらっています。ひとつ言えるのは、ずっと続けたくても続けられないこともある。途中で騎手を続けられなくなってしまう人がいる中で、自分が全力でやらないといけないという思いが強いし、とことんやっていきたいです」
セッション終了後は、国内外メディアの取材に対応した。日本でのARC開催は08年に続く16年ぶり5回目。オープニングセッションの「競馬の現状」で、アジア競馬連盟(ARF)会長のウインフリート・エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は「競馬をスポーツとして位置付けていくことが大事で、日本がその好例だ。他の統括機関もそうしていくことが大事」と日本競馬を称賛していた。ホスト国として、世界で存在感を強める日本の競馬界を代表して、武豊騎手は力強く言った。「日本がリーダー的な存在になってほしい。そうなっていかないといけない」。【松田直樹】

