日本の馬で凱旋門賞を勝ちたい-。チームジャパンの一員として数多くの国際G1を勝ってきたオイシン・マーフィー騎手(30)は10月5日の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、パリロンシャン)で、ビザンチンドリーム(牡4、坂口)とコンビを組む。12年のオルフェーヴル2着に衝撃を受けた世界の名手が、日本競馬史に残る悲願を成し遂げるか。意気込みを聞いた。
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日本の馬とともに世界各国で歴史を刻んできた。19年夏、英ナッソーSでディアドラを勝利に導くと、同年秋にスワーヴリチャードでジャパンCを制覇。21年にはダートの世界女王決定戦・米BCディスタフをマルシュロレーヌで制した。マーフィー騎手は、日本への思い入れが強い。
「私にとって日本の競馬は非常に重要な存在です。私も30歳になりました。自身のキャリアの上でも今、素晴らしい血統の馬に乗りたいという気持ちがあるんです。その馬たちが日本には数多くいると思っています。日本の馬で国際的なレースに騎乗することは大きな楽しみになってます」
今から13年前、大きな歓声が悲鳴に変わった。オルフェーヴルが挑んだ12年の凱旋門賞。抜群の手応えから満を持して直線早めに抜け出すも、最後の最後でソレミアに差された。マーフィー騎手にとって、この日本競馬史が動きかけた一戦が深く印象に残っている。
「オルフェーヴルが先頭に立ったときは楽勝するんだと思いましたけど、突然、勝利が遠のいてしまいました。私の中で、日本の馬で凱旋門賞を勝ちたい気持ちが強く、それを実現できればと思っています」
自身も凱旋門賞のタイトルがいまだ取れていない。今年こそ、そして日本馬とともに。ビザンチンドリームと初戴冠を目指す。今春はサウジのレッドシーターフHを快勝。前走のフォワ賞も目の覚めるような末脚で勝利し、コンビ2戦2勝で大一番に臨む。
「前走はムチも使わず、しまいもいい脚を使えましたし、いい勝ち方ができたと思います。サウジで乗った時より落ち着きが出て、ゲートも良くなりました。切れ味がある一方で、長くいい脚も使えます。素晴らしい馬です。馬場が良ければ、すごくチャンスだと思っています」
9月6日に30歳となり、騎手としての第2章が始まった。“ビッグドリーム”をかなえる時が来た。

