フランスに来て3日がたちますが、いろんな施設のスケールの大きさにびっくりさせられます。日本馬が調整を行うシャンティイの調教場はとにかく広いです。エーグル、リヨン、ラモルレイ、コワイラフォレなど調教する場所が分かれており、それぞれに芝、坂路、ダート、オールウエザーなど複数のコースがあります。9月30日はクロワデュノール、ビザンチンドリームがリヨンで、最終追い切りを行ったアロヒアリイはエーグルで調教をしました。
そんな調教場を生で見てみたいと熱望していたところ、18年にフランスで開業された清水裕夫調教師(43)のご厚意により、一部を見学させてもらえることに。エーグル調教場の複数コースと、リヨンの坂路を見せてもらいました。車で一般的な道路から側道を使って森の中に入り、開けた駐車スペースに停車。山登りのごとく、さらに森の奥へ歩いて行くと、めちゃくちゃ広いダートコースが現れました。
写真ではわかりにくいので、ぜひ僕のX(旧ツイッター)で動画も見てほしいのですが、それでも伝わらないほど大きく、何より直線が長く、全長は3キロを超えるといいます。さらに奥に歩を進めると、オールウエザー、ポリトラック、直線の芝コース、そして日本馬が頻繁に調教をしていて、テレビによく映っているエーグル芝コースが。
清水師いわく「ここらは雨に弱く、水分を含むと一気に馬場が変わります。芝コースは見てもらって分かる通り、結構掘れていますよね。芝丈も長いので、タフになりやすいです」とのことでした。
前述した4つの調教コースにもそれぞれ特徴があり、馬それぞれに応じて使い分けをしているようです。
続いて今年の日本馬3頭の調教メニューとして、よく名前の出てくるリヨン坂路コースへ。エーグルから車で10分くらい進んだところにあります。直線で全長4キロあり、スタート地点はシャンティイ城だとか…。ただ、実際に使用しているのはお城から1・5キロの地点からで、用途に合わせてどこからスタートするのかを決めるそう。自然の地形を利用しているので、一定に登り続けるのではなく、時には下る部分も出てきます。ここで過去に日本馬が数多く調教してきたのだと思うと…少し感動しました。
実は、清水厩舎の中も少し見せていただけることになりました。馬房がコの字に設置され、日本と同じくスタッフの休憩所(大仲)やタックルーム(馬具庫)がある造り。大きく違うのは馬房の造りで、日本よりも屋根が高く、横の馬が見られるように鉄柵が設置されていました。
清水師は「断熱材がしっかり入っていて、馬房の中はひんやりしますよね。馬は集団動物なので、日本にはない馬房横の柵があることで、落ち着いたり、いろんなメリットがあるんです。ただ、横の馬が競馬のためにいなくなると、さみしがる馬もいるので、そのへんは良くない点かもしれませんね」と、解説してくれました。
最後に昨年3月、サンクルー競馬場での未勝利戦で19馬身差の圧勝を飾り、昨年の凱旋門賞にも登録があったワサビ(牝4)とツーショットを撮らせていただきました。次のダーバン賞(4着)では負けてしまいましたが、今後の活躍に期待です。なによりそのかわいらしい名前にひかれ、人懐っこい性格もあり、しばらく馬房の前を離れられませんでした(笑い)。そのほかにもサクラサク、ヨコヅナなど日本にちなんだ名前の馬がいるそう。つい先日までいたシンエンペラーの馬房も見ることができました。
厩舎、調教場と普段見ることのできないところを見せていただいた清水先生には感謝しかありません。本当にありがとうございました。また後日、清水師による「パリロンシャン競馬場の解説&凱旋門賞」の見立てを掲載する予定ですので、そちらもご覧いただけると幸いです。【藤本真育】

