競馬界の“二刀流”がアメリカに上陸だ! 今週はブリーダーズカップ(以下BC)がカリフォルニア州のデルマー競馬場で開催される(現地時間10月31日、11月1日)。日本調教馬は8頭が参戦。BCターフスプリント(G1、芝1000メートル、日本時間の2日朝)には海外初遠征となるインビンシブルパパ(牡4、伊藤大)が出走を予定する。ダートで頭角を現し、前走芝のCBC賞で重賞初制覇を果たした“芝砂二刀流”。「無敵パパのBC奮闘記」と題し、管理する伊藤大士調教師(52)が現地での様子をリポートする。

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読者の皆さん、はじめまして! 調教師の伊藤大士です。今回は初めてのアメリカ遠征に際して、インビンシブルパパの奮闘ぶりを中心にお伝えできればと思います。

馬はすでに22日に無事デルマー競馬場(西海岸)へ到着していますが、僕がアメリカへ出発するのは今日27日なので、初回はこれまでのパパのお話をしたいと思います。

普段はやんちゃな面もありますが、無駄なことをしません。調教ではいつも好時計を出してくれますが、オンとオフの切り替えがすごすぎて、坂路に行った時は「ちゃんと走りだしてくれるのかな?」と心配になるくらい。短距離馬といえばカーッと走りだしたら止まらないイメージがありますが、パパは全くそんなことがないです。CBC賞も大外枠から逃げましたが、すっと収まっていましたし、短距離馬らしくない部分が強みだと思います。

前走を勝つ前からアメリカに行こうという話はありました。調教、レースの走りを見ても左回りの方が得意。CBC賞が行われた中京競馬場は左回りで、それに似たデルマー競馬場での開催なので渡米を決めました。

以前に乗ってくれたルメール騎手やモレイラ騎手が「芝は合う」と言ってくれて、実際に結果を出してくれました。迫田三果子オーナーの理解もあって海外に挑戦することができますが、僕自身も海外は初めての経験。現地では助手時代から仲よくさせてもらっている矢作先生のチームにサポートしてもらう予定です。わくわくしますね。初物尽くしなので、肩に力を入れず、とにかく楽しむだけです。馬もうちのスタッフも一緒に成長できたらと思います。(つづく)

◆伊藤大士(いとう・だいし)1972年(昭47)11月29日、愛知県生まれ。森安厩舎で厩務員、上原博厩舎で調教助手を務め、09年に調教師試験に合格。同年厩舎を開業。JRA重賞は20年ダイヤモンドS(ミライヘノツバサ)で初制覇し、23年ニュージーランドT(エエヤン)、25年CBC賞(インビンシブルパパ)で通算3勝。趣味は野球観戦で東京ヤクルトスワローズの大ファン。