2025年は競馬界の歴史が動いた。東西取材班の現場キャップを務める東京・桑原幹久記者と大阪・太田尚樹記者が、年末恒例「中央競馬10大ニュース」を選定した。フォーエバーヤング(牡4、矢作)がBCクラシックを日本調教馬として初制覇した歴史的快挙をはじめ、印象的な出来事を振り返っていく。

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太田 桑原、夢あんの? 夢はあんのか?

桑原 「有馬で勝つ」の夢は今年も破れました…。

太田 俺も相手抜け…。

桑原 でも、ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」(3位)の反響はすごかったですね。僕の周りだけでも競馬に詳しくない知り合いから、競馬場に行ってみたいとよく言われました。「当たる予想教えて!」の連絡は一番困りますが…。

太田 実際の競馬場、トレセン、牧場がロケ地に使われていたし、顔なじみのある関係者もよう出てたな。終わったばかりやけど続編があるんか気になるわ。

桑原 夢といえば、フォーエバーヤングのBCクラシック制覇(1位)はいまだに信じられないような偉業です。

太田 今年唯一の敗戦となったドバイワールドC(3着)では、矢作師いわく「ひどい仕打ち」を受けた。レース前の尿検査で暗室に40分も閉じ込められたとか。アウェーに“洗礼”はつきもの。そんな中でダート世界一決定戦と世界最高賞金サウジCを勝つんやから。今年どころか日本競馬史の10大ニュースやろ。

桑原 間違いないですね。26年の春はサウジC、ドバイワールドCと進むようですし、年末の有馬記念で芝に挑戦する選択肢もあるようなので、動向から目が離せません。

太田 芝でも現役世界一のフランス馬カランダガンがジャパンCに参戦(4位)してきたけど、さすがの走りやったな。

桑原 ドバイに続いて取材しましたが、牡馬にしては小柄でも筋肉ムッキムキ。タフな欧州とは異なる馬場に対応してレコード決着を差し切るんですから、強い馬はどこでも強いと痛感しました。

太田 その馬をドバイで倒したのがダノンデサイル。ドバイシーマCを勝った直後に、戸崎騎手が「ベリーベリーホース!」(8位)と思わず発したことが話題になったな。

桑原 有馬記念でも◎を打って、ベリーベリー最高な年越しになるはずが…。

太田 俺もダノンデサイルが2着やったら当たりやったのになあ。泣き言はこれぐらいにして、ベリーベリー高難易度の調教師免許試験を和田竜騎手、藤岡佑騎手が合格した。調教、レース騎乗の合間をぬって机に向かう努力には、尊敬の言葉しか出てこないわ。

桑原 女性として初の調教師となった前川師も3月に開業(10位)されましたね。努力が実ったといえばスプリンターズSをウインカーネリアンで制した三浦騎手は、JRA・G1127回目の挑戦で初勝利(9位)しました。「諦めたら終わり。こんなにも自分を応援してくれる方がいる」と思いのこもった言葉にはぐっと来ましたね。

太田 新人最多勝記録を更新したのが08年。そら俺も年とるわな…。

桑原 57歳の横山典騎手は秋の褒章で黄綬褒章を受章(5位)されました。JRA現役騎手では柴田善騎手、武豊騎手に続いて3人目。衰え知らずの大ベテランです。

太田 悲しい出来事にも目を向けんとな。松本好雄オーナーはメイショウタバルで宝塚記念を勝って「夢みたいですね。石橋調教師と豊さんと…」と大喜びやった。亡くなったのは所有馬でのJRA2000勝達成の6日後。この2つの勝利を見届けてから逝かれたのがせめてもの救いと思いたい(2位)。

桑原 僕が競馬好きになったのはスズカフェニックスの高松宮記念制覇を偶然テレビで見てからなんです。永井啓弐オーナーにお会いしたことはないですが、感謝しかありません。

太田 香港でリバティアイランドが故障、安楽死(6位)というニュースも衝撃やった。関係者の思いをくむと心が痛い。

桑原 人馬ともに健康第一。僕は寝耳に水の東京本紙就任という大きな変化のある1年でした。26年も働いて働いて働いてまいります。

太田 俺は春G111戦9勝で記者人生最高のシーズンやったし、桑原にも先輩本紙の威厳を見せたつもりやったけど、秋はグダグダ。巳(み)年だけに竜頭蛇尾や。午(うま)年の来年は万事塞翁(さいおう)が馬。一喜一憂せず馬車馬のように働くわ。

桑原 来年こそ有馬で勝つ!